【動画】2020年のSaaS。そしてSaaSのニューノーマルとは?

先日開催したALL STAR SAAS CONFERENCE TOKYO 2020でのDNX Ventures 湊 雅之さんとのセッション「2020年のSaaS。そしてSaaSのニューノーマルとは?」の録画動画をアップしました!

2020年にSaaS業界で起きた出来事の振り返りや、ニューノーマルのトレンド、国内SaaS企業にとって最もチャレンジングだったことは何だったのか。最後には、2021年に向けて僕たち2人からSaaSに携わる皆さんに伝えたいメッセージも。

カンファレンスでご覧いただいた方も復習として。ご覧いただいていない方は、この機会にぜひチェックしてみてください。

(動画とポストを編集してくれたkobajenneに感謝)

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「お客さんとの信頼」これは絶対にないがしろにしない。営業の本質を理解するために。〜 Well Direction 向井 俊介

今回のポッドキャストエピソードは、ALL STAR SAAS FUNDのセールスアドバイザーでもあるWell Directionの向井 俊介さんです。AppAnnieやGartnerといった各領域の世界最大手外資企業でトップパフォーマーとして活躍してきた向井さんと、営業の本質をテーマにディスカッションしました。

【ハイライト】

  • 人として、お客さんと仲良くしていく重要性
  • 売りづらいものを売る方法
  • 大切なのは、売り急がないこと
  • パイプラインはターゲットの3倍から5倍を狙うべき
  • エンタープライズセールスの時間の使い方
  • マネージャーとして、ビジネスマナーを徹底している理由
  • CSとアップセルセールスを完全に分けた理由とは
  • プロダクト愛が強すぎたときの営業の罠

(ポッドキャスト編集してくれたkobajenneに感謝)

思いやりと率直さ。リーダーに必要なコミュニケーションスタイル。

部下や同僚に対して、効果的にフィードバックができるコミュニケーションスタイルを身に付けることは「良いリーダー」になるうえで、とても重要なこと。

間違いを指摘するだけのコミュニケーションでは一方的に厳しさだけを与えてしまい、次第に周囲の人間は、その人に物事を話すことさえ躊躇し、恐れ始めてしまう。逆に、褒めてばかりのコミュニケーションでは、相手の成長の機会をつくることができなくなってしまう。
良いリーダーに求められるのは、「成長の機会」をつくり、また「オープンな関係を構築」できるバランスの取れたコミュニケーションが必要だ。今回紹介したいのは、Google出身のKim Scott(キム・スコット)氏が提唱したフレームワーク『Radical Candor(徹底した率直さ)』だ。

このフレームワークには、2つの軸がある。

縦軸は「思いやり」- これは、相手のパフォーマンスや仕事の能力だけでなく、相手を一人の人として、その人とパーソナルな関係を築くこと。注意や意識を100%その人に向けて話すことも重要だ。

横軸が「率直さ」- 伝えることが難しい内容でもきちんとフィードバックをして、相手にまっすぐに伝えようとする姿勢を意識する。常に相手がチャレンジできる機会、ストレッチできる環境、そして成長できる場をつくることで、仕事の質に高い基準を設けてそれを維持する。

この2つの軸を取り入れたコミュニケーションスタイルを徹底するためには、いくつかのポイントがある。

フィードバックを求める: 人に対してフィードバックをするには、自分も相手からのフィードバックをきちんと受け入れられることを見せる(証明する)べきだ。フィードバックをもらった時には、自分をかばったり言い訳をせず、受け入れる姿勢を見せて次のアクションやコミットを示す。フィードバックを求めるベストなタイミングは1on1の最後。聞き出し方は、その時々で変えて工夫していくと良い。(例えば僕の場合は「もっと気持ちよく働くために僕にできることはあるか」、「今モヤモヤしてることはあるか」、「(あなたの)ミッションを果たすために僕が始めるべきこと(または止めるべきこと)はあるか?」など、質問の仕方を変えるようにしている)

ポジティブなフィードバックをする:フィードバックを率直に伝え合える関係になるために、ポジティブなフィードバックをしてバランスをとることも重要。こうしたポジティブな会話は、できる限り他の人も話が聞こえるオープンな場所で行うことで、その人のプレゼンスを上げることができ、同時に会社が推奨したい行動を他のメンバーに知ってもらう機会になる。1on1の時だけではなく普段からこうしたコミュニケーションを意識する。

普段からフィードバックをしあう文化を作る:フィードバックをし合う機会は、上司と部下との間だけではなく、メンバー同士でも積極的に行う文化があると良い。他のメンバーに対して意見がある場合、マネージャーやリーダーを介して話をするのではなく、メンバー同士で直接話をするよう促すことによって自然と自発的にフィードバックをし合う文化が根付いていくだろう。

率直なフィードバックの仕方:相手にフィードバックをしたいことがあれば、1on1ができる次の機会を待つのではなく、できる限りすぐにフィードバックの場を持つようにして欲しい。お互いの記憶の中で、そのシナリオがフレッシュな状態に話をした方が、認識や理解のズレが生じにくいからだ。

1〜2分でも良いので時間をつくり、他の人には聞こえないプライベートな環境で話をする。

その時フィードバックをする側は、謙虚さを忘れず、言葉選びもその人を攻撃するような話し方ではなく、その行動や考えを指摘する。

(例えば「あなたは間違っている」と断言するのではなく「僕はそのアイディアにこういった間違いがあると思う」という伝え方に変える。)

行動(または状況)、インパクト、提案の順で伝える:フィードバックをする時の順番も意識が必要だ。まず「指摘したい行動は何なのか」を伝え、「その行動が周りに与えているインパクト」について、そして「それを改善するための提案」で終わらせる。

例えば、マーケティングチームのリーダーに対してフィードバックする時:

【行動(または状況)】
背景も伝えることなくチームに否定的なフィードバックと改善の指示(行動)だけを出してしまっている。

【インパクト】
■ その指示が何の理由でどこから来ているのか
■ なにが重要なのか
■ どの程度の緊急度なのか
こうした点が全くチームに理解されない状態となり、結果誰にもささらないアウトプットが生まれてしまう。

【提案】指示を出すときは、背景、ターゲット、緊急度、重要な要素が何になるのかをしっかり含めた伝え方をすると良いと思う。

感謝を忘れずに:そして最後に。もちろん感謝を忘れずに。フィードバックをするというのは、その人がエネルギーと時間をかけて伝えてくれているのだから、フィードバックをしてくれたことに感謝の気持ちを伝えることを忘れずにいたい。フィードバックがしやすい文化を根付かせるためにも重要なことだ。

以上が、キム・スコットのフレームワークだ。経営者やリーダーは、ぜひこのフレームワークを取り入れて、良いコミュニケーションスタイルを実践して欲しい。

(編集してくれたkobajenneに感謝)

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「人」の支援を軸に、100年続くSaaS企業を起業家と共に築く。LTVを最大化するVCを作りたい未来の仲間へ。

日本のSaaSの歴史は、まだ始まりにすぎない。

僕は、今後さらなる拡大の一途を遂げるであろう国内SaaS市場、なによりSaaSというモデルの無限の可能性に惹かれて、SaaSに特化したファンドALL STAR SAAS FUNDを2019年7月に設立した。

これまで、たくさんの起業家と出会い、ALL STAR SAAS FUNDを共に成長させていく仲間を集め、各分野のプロフェッショナルをメンターやアドバイザーに迎え、SaaS起業家のための支援プログラムを実施してきた。そのなかで、経営の強化、チームの成長、そして事業の成長を加速させるために企業が乗り越えるべきハードルや、より強固な組織を築くために必要不可欠な要素など、起業家に伝えたい、伝えるべき「気付き」に多く出会った。

僕たちは、その気付きをきちんと具現化させたいと強く思っている。

このブログは、端的に言えばALL STAR SAAS FUNDの仲間を募集するためのリクルート投稿だ。僕と話をしたことがある人にとっては、真新しい情報は一切含まれていない投稿になるけれど、僕たちが考えていること、実際にどのようなことをしているのか、そして大切にしていることは何なのかを改めて伝えたいと思う。

そしてもし、僕たちの考えや活動に関心を持って、仲間に入りたいと思ってくれた人がいるのなら、ぜひ連絡をして欲しい。

僕は、SaaSの魅力に心の底から惚れている

B2B SaaSは、サービス提供者と利用者の関係が「一度きり」になることがなく、サービスを利用しはじめてもらってからが本番と言っても過言ではない。サービスを提供する側は、顧客の成功を一番に考え、利用者との関係を構築し、最先端のテクノロジーやソリューションを提案し続けていく。常に「継続」が軸となったビジネスモデルだ。

僕は、この誠実で正直、そして進化を怠ることがないSaaSの世界に心底惚れ込んだ。

そしてもう一つ感じていることは、『日本はSaaS大国になる可能性を秘めている』ということ。労働人口が減少傾向にある中でも生産性を高め、維持していくためには、SaaSの力が必要だと考えている。

ビジネスモデルの美しさに惚れたこと。そしてSaaSには「これからの日本を救う」と言っても良いほどの可能性があると信じていること。

これ以上に自分のパッションと、世の中が求めることがマッチすることはないのではないか。

こう考えた2015年、僕は国内のSaaS事業を中心に投資していく形に自身の投資方針を振り切ることを決めた。

SaaSは決して「ブーム」ではない。この歴史は、100年先も続くと信じている。

そもそもサブスクリプションというモデルは、つい最近生まれたものではない。17世紀、ドイツの出版社がこのモデルの基となるサービスを提供し始めたことがはじまりと言われている。その後このモデルは、様々な業種で適用され世界中に広まったわけなのだが、ソフトウェアの世界でこのモデルが受け入れられ始めたのは、90年代に入ってから。歴史はまだ浅く、これから先も長く、大きな成長を見込めると信じている。

数字の面で見ても、国内民間企業のIT投資額は年々増加傾向にあり、2020年度は13兆円に達すると予測されているのに対して、SaaSの市場規模は未だ約5000億円程度と言われている。

SaaS市場に対する注目がどんどん高まる中でも、国内のSaaS浸透率はまだまだ低く、始まりにすぎないと言えるだろう。ALL STAR SAAS FUNDは、この先10年、いや100年先も続く企業を築くためのパートナーのような存在であり続けたいと思う。

指標化しやすいSaaSだからこそ「人」を軸にした支援をする

MRR、T2D3、チャーンレート、営業効率、マルチプル。

SaaSは良くも悪くも指標化しやすい。経営者として数字を無視するというのは無理な話だけれど、僕たちが最も重要視したいのは「人」だ。その理由は至ってシンプル。会社を動かす原動力は「人」から生まれたビジョンと信念であり、全てを現実のものにしていくのも「人」だからだ。

そこで僕たちは、2019年から「人」を軸とした3つの支援プログラムをスタートさせた。

⬛️ Leadership

一流の会社には、一流の組織が必要。

この一流の組織を作るためには、まずトップからの情報が組織全体に正しく伝達していること、認識のズレが生じない状態を維持することが必須だ。そして、さらに組織として進化し続けるにために、ボトムアップでフィードバックや課題が拾い上げられる心理的安全性のある文化を築いていくべきだ。

そこで僕たちは、効果的なコミュニケーションの取り方や、矛盾した動きが発生しない目標設定の仕方などを重点に置いた経営者層に向けたプログラムを提供している。

その一つの例としては、SmartHRで実施している組織評価がある。年に1度、過去5回この組織評価を実施し、フィードバックや改善提案をさせてもらっている。その他にも、社長と部下との1 on 1の様子を録画で確認してフィードバックを行うなど、直接的、かつ実践的に効果を感じてもらえる取り組みを中心に実施するよう心掛けている。

⬛️ Recruitment

SaaS企業の場合、少数精鋭の経営は難しい。

ARR 100億円を目指すのであれば、300人規模の組織が必要と考えた方が良いだろう。そこで僕たちは、優秀な人材の紹介はもちろんのこと、会社の魅力を外部に伝えるための採用ブランディング手法や、クロージング率を高めるためのサポートも行っている。

ALL STAR SAAS FUNDのタレントパートナー楠田が主となってスタートさせた日本最大のSaaS特化型タレントコミュニティーの規模もますます拡大している。最近では、投資を実行してから15日以内に、その投資先企業のCOOの採用を成功させる事例も出てきている。

⬛️ Enablement

一人一人のポテンシャルが最大限に引き出されていること。そしてそのレベルを向上させ続けることは、組織全体のパフォーマンスレベルを上げるだけでなく、会社のモラルを高く保つためにも重要なこと。

支援先企業の経営者層のみならずチームの誰もが、ALL STAR SAAS FUNDに参画してくれている一流のメンターやアドバイザーのノウハウを学び、経験に触れることができるよう機会を提供している。

例えば、営業レベルを向上させるためのクローズドワークショップの開催、支援先のインサイドセールスチームをゼロから立ち上げるための支援や、営業資料のブラッシュアップ、営業のロープレーなども実施し、吸収した知識やテクニックは、全て自社で確実に実践できるように1対1でサポートをし始めている。

これらの要素は、一流のSaaS企業を作るために必ず強化させるべきことであり、多くのSaaS企業の成長に携わらせてもらっている僕たちだからこそできる、特に注力すべきプログラムだと考えている。

LTVを最大化するVCへ

SaaSは、LTV(顧客から生涯にわたって得られる利益)を最大化するビジネスだ。

短期的な利益よりも顧客と共に成功し、生涯に渡って互いの価値を最大化させる。チャーンを最小限にし、継続率を最大化する事ことに注力する。

SaaSに特化した投資をしているからこそ、僕はVCとして、僕たち自身にもSaaS起業家たちと同じ概念を適応させたいと思っている。短期的なイグジットやリターンではなく、長期的なサクセスと最大価値を共に追求していきたい。

これを実現するためには、従来のVCファンドの形とは違う挑戦をしなくてはならない。投資先はもちろん、関わるすべての人たちとより強固な信頼関係を築き、環境を作り上げていかなくてはならない。100年以上続く産業を築こうとする起業家にとっての最高のパートナーとなり、LTVを最大化させるために投資をし続けたいと考えている。

ALL STAR SAAS FUNDを設立してから1年半。この間に参画してくれたタレントパートナーやメンター、アドバイザー、そしてサポートしてくれるみんなの協力によって、少しずつ描いていたものが形になり、効果も実感し始めている。

でも、まだまだこの取り組みは始まったばかり。未熟な点も多くあるし、サポートが行き渡ってない支援先の方が多いのが実情だ。

僕たちは今、この構想とビジョンを一緒に実現できる仲間を探している。

僕たちと一緒にこの挑戦にワクワクしながら挑んでくれる人、そして僕たちのバリューに共感してくれる人は、ぜひ応募フォームから応募してほしい。

(編集してくれたkobajenneに感謝)

成長率だけを追いかけ過ぎると罠にハマる。SaaS経営者が考えるべき戦略とは。~ Fond 福山太郎

SaaSの魅力の1つは、KPIが分かりやすいことだろう。多くの指標のベンチマークが存在し、さらに戦術のノウハウがオープンに広まってきている。でも、数字や戦術だけに着目していると、そこには大きな落とし穴があることも忘れてはいけない。今回のポッドキャストは、Fondの福山太郎くんと一緒に、SaaSの経営に関する様々なトピックに触れました。

【ハイライト】

  • 成長しやすいSaaSの条件
  • 成長率を追いかけすぎた時の罠
  • 成長の4つのレバー
  • SaaSのエクセル経営は良くない
  • 社長の役割とは(トップダウンとボトムアップで決める事)
  • 良い戦略とは
  • 顧客に選ばれるための要素
  • 権限移譲の考え方
  • The Modelを取り入れるべきタイミング

(ポッドキャスト編集してくれたkobajenneに感謝)

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SaaS企業の急成長を支える最初の100人 ~ SmartHRとANDPAD

今回のポッドキャストは、2019年11月に開催したALL STAR SAAS CONFERENCEの中で、現在も引き続き急成長しているSmartHRの宮田社長とANDPADの稲田社長を招いて行ったセッションの録音をお届けします。

成長を支える最初の100人の組織はどのような構成なのか。採用の順番は何が最適か。そして、数名の段階から100人までチーム数を増やすにあたり、どのような課題が出てくるのかなどについてディスカッションをしました。

1年前のセッションとなりますが、今まさに同じようなステージにいる、または目指している起業家の皆さんにきっと参考になる内容となっていると思います。

※ ブログに埋め込んでいるスライドを見ながら聞くとをお勧めします。

【ハイライト】

  • チームを作る順番について
  • 採用の基準について
  • バーティカルSaaSで信用を積み上げる方法
  • 規模度の社長の役割
  • 権限移譲の順番とタイミング
  • 最初のCSはどのような人か?
  • 人事担当者を採用するタイミング
  • 評価基準を導入したタイミング
  • 開発体制について

(ポッドキャスト編集してくれたkobajenneに感謝)

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SaaSは全然始まったばかり。「わがまま」の言える組織が重要!~ サイボウズ 青野 慶久

97年にパッケージソフトから始まり、その後クラウドへの転換を見事に実現したサイボウズ。今回のポッドキャストは、サイボウズの代表取締役社長 青野 慶久さんをお招きして、クラウド事業を始めたきっかけやその経験について、そして「わがまま」が言える組織の重要性についてディスカッションしました。

【ハイライト】

  • クラウドシフトは、とある社員の「わがまま」から生まれた
  • パッケージからクラウドシフトの苦労
  • クラウドが成功する手応えを感じた時
  • 単価の重要性について
  • 20年以上経営を続けている理由
  • 「わがまま」が言える環境のメリット
  • 企業理念と個人の目標を重ね合わせる重要性

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スティーブ・ジョブズのチーム作りとマネジメント

前回に続いて、Steve JobsがMIT Sloanで行った講演の紹介。今回は、Steve Jobsの採用ポリシー、彼がAppleで学んだこと、そしてチームとしての決断について話している部分をシェアしていきたいと思う。

チームは妥協してはいけない。

私たちが実行した大切なことの1つ、それは彼、Mike Sladeを雇ったことです。彼は、Microsoftに7〜8年在籍したあと、VP of Marketingとして私たちの会社にジョインしました。初めて彼に会った時は、彼はExcelのプロダクトマネージャーで、その後Microsoftの大規模なマーケティングプロジェクトを走らせていました。

現在Mikeは、NeXTのマーケティング業務の全てを担当しています。彼がNeXTに入ったのは、私たちがやっと大企業から業務に必要なカスタムアプリの話をヒアリングできるようになったタイミングだったので、私たちは密に連携をとって共に会社のマーケティング戦略を立て直しました。この時、Mikeは本当に素晴らしい仕事をしてくれました。

そしてつい最近、COOとしてPeter van Cuylenburgという人物を迎え入れました。もともとPeterは、私がセールスとマーケティングのエグゼクティブVP候補を探していたときに最初に出会った人物でした。でも、オファーを出した結果断られてしまい、それ以降私たちはこのポジションの採用を止めたのです。そして、それから1年半の間彼を追い続けました。彼はそれほど優秀な人材だったんです。

彼は、TI(テキサス・インスツルメンツ)のヨーロッパ支社の運営に長く携わり、そして3年前にUK版のMCIであるイングランドのMercury Communicationsという会社に参画しました。そこでこの企業の売上を20億ドル企業にまで成長させました。これは、Mercury社の親会社であるCable & Wirelessの半分(Cable & Wirelessの当時の売上は約60億ドル)に値するのです。

彼は、コミュニケーションとコンピューティングが一つの共同体となると考えてこの会社に入ったのですが、実現することはありませんでした。それが分かったと同時に、彼の本当の愛は、コンピュータービジネスにあることに気づいたんです。

そして彼は、私たちの仲間になりました。つい先週のことです。どうやら私が本当に雇いたいと思う人物は、参画してくれるまでに1年はかかるようなのです。Mikeの時は1年半をかけましたし、Appleの時も同じでした。でも全てその価値があったんです。とても優秀な人に出会い、でも、その人を仲間にすることができなかった時、他の人を探そうとする人もいるでしょう。そしてそこで出会った人と最初に出会った人を比べて、2番目と分かっていながらも、妥協してその2番目の人で落ち着こうとするかもしれません。でも私は妥協せず、自分が1番だと思った人にアプローチし続けるんです。

Appleでの経験で学んだこと

私がAppleにいた時に学んだこと、というよりはAppleにいたときのデータから学んだことがあります。それは、私はいま、人に対して長期的な視点をもつようになったということです。もし相手が、正しくない間違ったことをしたとき、私が最初に行うことはその問題を正そうとすることではありません。大切なのは、今私たちはチームを作ろうとしていること。そして、1年後のためではなく、10年先のために最高のものを作るためにここにいるのだということです。だからこそ、どうやって私が問題を解決するかではなく、その間違ってしまった人に学んでもらうために自分が何をすべきかを考えるのです。時にそれは苦痛なことです。私もまだ、手っ取り早く問題を解決したいと思うことがあります。でも、長期的な視点を持つということは、恐らく私が1番変わった点なのだと思います。

チームとしての決断

もし私たちが同じ経営陣に所属し何かを決断しなければならないとき、相手が賛成していない決断を無理やり通そうとすることが正しいとは思いません。なぜなら、あなたは彼らが正しいと思ったことをしてもらうために給料を払っているのに、これでは彼らが本当は正しくないと思っていることをむりやりさせることになり、遅かれ早かれ衝突することになってしまうからです。私が考える1番良い方法は、その決断したことを実行するために関わる全員の同意が取れるまで話し合うということです。これがNeXTで実際に行っているやり方です。NeXTの組織のトップには「ポリシーチーム」というチームがあります。そこには私とMikeを含む8人のメンバーがいます。このチームでやろうとしていることは2つ。1つは、本当に大切な決断と私たちが決断しなくても良いことを区別することです。本当に必要な決断に関しては、私たち全員が同意するまで話し合うを続けます。なぜなら、私たちが給料を払っている理由は、人に何かをさせるためではなく、何をすべきかを教えてもらうためだからです。何かをしてもらうためだけの人を探すのは簡単なことです。でも、何をすべきかを教えてくれる人を見つけるのは難しいことですよね。

これこそが私たちが求めていることです。私たちは人に多額の給料を支払い、そして彼らに何をすべきかを教えてもらうのです。これを前提に考えたとき、本当は全員が納得していないと分かっていながら、その状態から逃げるべきではないのです。ここでの成功の否決は、実は1つのチームが本当に決断しなくてはいけないことは、そんなに多くはないということを知ることです。私たちも1年のうちに本当に決断しなくてはいけないことは25個くらいです。そんなに多くはないのです。うまくいくこともあれば、試行錯誤していることもありますが、これが私たちが実践している方法です。

私は、「私がCEOなんだ!このやり方に全員従え!」と発言したことはありません。そして「同意できないのなら、チームから外れろ。」と言ったこともありません。いや、私の長いキャリアの中で1度や2度はそんなことがあったかもしれません。でもそれはせざるを得なかった時です。 もしチームがこっちの道に進みたいと良い、でも一人違う方向に進みたいと言った場合、それはもう上手くいかないと伝えることも仕事の一つですから。でも全員がチームとして動いているときは、共に課題を解決していくのです。

(編集と翻訳をしてくれたkobajenneに感謝)

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スティーブ・ジョブズが語ったソフトウェアの歴史と未来

今回は、1992年Steve JobsがMIT Sloanで行った講演の中から、僕が紹介したいと思った内容を抜粋して投稿してみようと思う。

デスクトップの歴史、ソフトウェアの歴史、そして当時Steve Jobsが経営していたNeXT社の戦略が伝わる面白い内容だったので、ぜひ読んでみて欲しい。

なぜコンピューターの会社が必要とされているのか。

私たちがNeXTで何をしようとしているか、そしてなぜ世界には新しいコンピュータの会社が必要とされているのかを話したいと思います。

まず、私たちが犯した間違いについて話したいと思います。

Paul Strassmann(ポール・ストラスマン)という男性が書いたとても興味深い本があります。ポールはこの地球で最も面白い仕事をしています。彼は”ペンタゴン”という非常に大きな組織の最高情報責任者、CIOです。彼はその仕事に着く前に「The business value of computers」(ビジネスにおけるコンピュータの価値)という本を書きました。その中には驚くべき内容が書かれています。

彼は成功していない企業から、非常に成功している企業に至るまで多くの会社に対して調査を行い、2つの質問をしました。

一つ目の質問は「企業の収益に対し、どれくらいの割合の金額をITに費やしているか」というものでした。そこで彼は自分の直感とは反する答えを得ることになります。本当に成功している企業は、成功しなかった企業よりも多くい金額をITに使っているでしょうか?それとも少ない金額でしょうか?

答えは、全く同じだったのです。

どの企業も、収益の約2%をITに使用していたのです。彼は違和感を感じ、もう一つ質問をしました。「どのようにお金を使ったか?」というものです。

この問いで分かったこと。

それは、成功していない企業は、生産性管理〈マネージメント・プロダクティビティ〉の分野に多くの費用を費やし、一方成功している企業は、費用のほとんどをアプリケーションを使った業務効率化〈オペレーショナル・プロダクティビティ〉に使用しているということでした。

私にとって、この本は読んでいて気分の良いものではありませんでした。なぜなら、私は自分のキャリアの最初の10年間は、マネージメント・プロダクティビティに力を注いできたからです。

PCやMacは、生産性を管理するためにあるものであって、運用面での効率化に影響を及ぼすことはありません。

なぜなのか。

それは、近所の家電量販店では、株取引や病院の運営、オートメーション化したいと思う業務を支援するアプリケーションを購入することができないからです。小規模のビジネスであれば、会計ソフトを買うことができたかもしれませんが、中規模〜大規模サイズのビジネスではそうもいかず、運用効率について取り組むことはありませんでした。

では、人はどのようにしてインフォメーションテクノロジーを使って業務効率化を追求してきたのでしょうか。

60年代には、メインフレームや端末を使ってたくさんのCOBOLプログラマー達がこぞっていくつかのアプリケーションを作っていましたが、そのほとんどはバックルームアプリケーションでした。そしてそれは、資金に余裕のある一部の企業のみでした使われることはありませんでした。

70年代も引き続きメインフレームや端末を使って同じことを繰り返していました。ミニコンピューター、端末を使うことで費用を抑えようとした企業も現れてきました。80年代もこの状態は変化することなく、その後、恐らくここ2〜3年前(1989〜1990年頃)までは同じやり方を繰り返していました。

では、2〜3年前に何が起きたのか。それは、企業のフロントに立つ人たちからの業務効率化アプリケーションへのニーズが非常に強くなってきたのです。その結果、サーバーやデータベース、小規模のローカルエリアネットワークを構築し、2年の月日をかけて特定のミッションに対応できる業務効率化アプリケーションを生み出したのです。

こうして、企業のフロントオフィスからの業務効率化アプリケーションに対する需要がますます高まりました。そしてこの流れによって、業務効率化のアプリケーションが、デスクトップコンピューティングにおける次の大きな革命となることは明らかでした。

でもそれがどんな物なのか分かる人はいませんでした。それは奇妙でバーティカルな市場でしか需要がないものだと誰もが思っていました。でも私はこの市場はかなり大きなものだと考えています。そして今私たちは、このニーズがあることが間違いないバーティカルな市場に踏み込んでいて、とても順調に進んでいます。Sun社は、この分野で成功している唯一の企業ですが、私たちはそれに対抗するため、「NeXTSTEP」と呼ばれるソフトウェアを開発しました。これは、他のソフトウェアより5〜10倍の速さでアプリケーションを構築することができる、今までになかったソフトウェアになりました。

構築したアプリは、特別な知識を持たない人でも展開して使うことができるものです。また、そのアプリケーションは、既製の業務改善アプリケーションとシームレスに相互運用することもできます。そこで私たちは、Sunのシステムを使い2年の月日をかけてアプリケーションを構築している会社、またはSunとの契約を検討している段階の企業に会いに行って、NeXTなら90日ほどあればアプリケーションを構築できるという説明をしています。さて、あなたがウォール街で働いているとして。

NeXTなら90日でアプリケーションを1つ作ることができるのに、他社ではその1つのプロダクトに2年を要する。NeXTならば、その2年で8つのプロダクトを作ることができるわけです。これは、競合他社に対する優位性になります。

ハードウェアとソフトウェア

私たちが革新的なオブジェクト指向のソフトウェア「NeXTSTEP」を開発した時、私たちのターゲットである顧客は、Lotus、Adobe、WordPerfectなどパッケージ化されているアプリケーションのデベロッパーが王として君臨する、PCの世界からやってきた人々でした。私たちの目的は、このパッケージ化されているアプリケーションよりも5〜10倍の速さでアプリケーションを構築させることでした。そしてこの戦略は上手くいったのです。多くのパッケージ化されたアプリケーションが誕生し、それらのアプリケーションはほぼすべてのアプリケーションカテゴリのランキングに入っています。

でも、1991年の前半までは、このように上手くはいっていませんでした。1年ほど前、ある大手企業の担当者から、

Lotusよりも5〜10倍のスピードでアプリケーションを開発できるソフトウェアを持ちながら、君たちはその凄さを分かっていないと言われたのです。このソフトウェアを使用することによって、Lotusのアプリケーションが5〜10倍の速さで構築できるということは、社内で業務に必要なアプリケーションを5〜10倍の速さでつくることができる。これはかねてより私たち、そして全ての大企業、中規模サイズの企業が抱えていた大きな問題を解消してくれるものだ。そんな凄いものを持ちながら、その凄さを伝えられていない。

こう言われたのです。

これをきっかけに、私たちは全体の販売およびマーケティング戦略を見直し、集中させることで業績をロケットのように飛躍させることができました。昨年は今までの4倍、そして今年は恐らく約2倍に成長します。顧客リストもどんどん強力なものとなり、”クレイジー”な成長スピードを遂げています。今、私たちが話をする相手(顧客)というのは、まさに私たちがかねてより自分たちの顧客にすることを夢みていた相手なのです。

さて、これがいま私たちが取り組んでいることです。私たちの大敵であるSunは、私たちを潰しにかかるでしょう。彼らはそれをしてきません。いや、本来ならばもっと早くすべきだったのです。もうすでに遅すぎたと言えるでしょう。

重要なのは、ハードウェアには18ヶ月の周期があるということです。ハードウェアにおいて、サステイナブルな優位性を維持するというのは不可能と言ってもよいでしょう。運が良ければ、競合他社の1.5または2倍優れたものを作ることができるかもしれませんが、これを競争上の優位性とするには不十分です。ハードウェアの優位性は、6ヶ月持続すれば良いところですが、ソフトウェアはさらに長い期間の優位性を作ることができるのです。

これこそが、私達の戦略の根拠です。

私たちはソフトウェアだけの会社にならないのか?

私たちは、ソフトウェア会社であり、ハードウェア会社でもあるべきだと考えています。

私たちはNeXTSTEPを自社のプラットフォーム以外のプラットフォームに搭載することを決定するにあたり、NeXTSTEPのハードウェアは必ずしも一緒に販売する必要はないと決めていました。ただし、市場は成長していくので、私たちのハードウェアは今後もさらに売れていくことは間違いないでしょう。

もう一つ重要なのは、私たちのハードウェア部門としても最高のNeXTSTEPハードウェアを作ることこそが最も重要であるということです。私たちの作り出すハードウェアは一番安価なものではないかもしれませんが、それでも私たちは他では手に入らない最高のものをつくることができると考えています。もし、今後20〜25%のNeXTSTEPハードウェアしか売り上げることができなかったとしても、私はそれでもハードウェアビジネスが10億ドル以上のビジネスになると考えています。

いま私たちがどのようにコンピュータを販売しているかをみてみると、アメリカ国内に営業担当者がいて、130人の専門家たちがNeXTコンピュータを販売しています。彼らは、自分たちの仕事の90%の時間をNeXTSTEPソフトウェアの販売に、そして10%の時間をハードウェアの販売に使っています。言い換えると、お客様にソフトウェアを購入してもらうことができれば、ハードウェアも販売することができるということです。

過去数年間に渡ってコンピュータ業界の流通チャネルは、需要を生み出す力を失っています。需要を満たすことはできますが、作り出すことはできないのです。新製品が発売したときに、店でデモンストレーションができる店員を見つけることができたら、それだけで幸運ですよね?革新的な製品は、単に既存の商品に改善を加えたものではありません。既存のチャネルは需要を満たすことしかしていないため、行き詰まってしまうのです。

では、どのようにすれば市場にイノベーションをもたらすことができるのか。私たちが現在その方法を知ることができる唯一の手段は、営業部隊が顧客に対して製品を紹介し、その問題をどのように解決策と結びつけることができるのかを話すことだけなのです。

平均販売価格が500ドルのソフトウェアパッケージのみを販売する会社では、130名の専門家を雇い、ダイレクトセールスを行うことはできません。でも、平均販売価格が5,000ドルの会社なら可能です。だからこそ、私はこれ以上ソフトウェア企業が成功することはないと考えています。革命的な製品だとしても、平均単価が低ければ市場を育てるための資金を投入することはできないと思うのです。そして、革命的な製品を生み出せなければ、企業の成功もありません。

だから、私たちはソフトウェアビジネスを成功させるためにハードウェア企業でもあり続けるという戦略を取り、その両方が軌道に乗っているのです。

(パート2はこちら)

(編集と翻訳をしてくれたkobajenneに感謝)

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ARR100億円が必然になった時。

ここ数年、Sansan、ラクス、マネーフォワード 、freeeなど、ARR 100億円を突破、または超えそうなSaaS企業が増えてきている。日本のSaaS業界はまだまだこれからで、ARR 100億円組に参画する企業が、今後も続々と現れるだろう。

売上もブランドもなく、チームもまだ小さい立ち上げ時のSaaS起業家にとっては、ARR 100億円は遠すぎる未来であり、なかなか実感もわかないだろう。

でも、顧客の数が10社から100社、1000社になり、従業員も3人から30人、300人と増えていくと、ARR 100億円というのは近い未来の話なのではないかと気付きはじめ、ある日それは必然のことだと感じ始めるだろう。そして、その予感は恐らく間違ってはいない。

では、ARR 100億円が必然と感じ始めた時に考えるべきことは何か?そして、その予感を現実のものにするためにはどうすれば良いのか?

リテンションを愛に転換する

SaaS企業にとって、リテンション率(顧客継続率)が非常に重要であることは誰もが知っていることだ。これについては以前にも話をしたが、規模が大きくなればなるほど、リテンション率が事業にもたらす影響は大きくなる。1億円売り上げのうち10%が退会すれば、1000万円を失うことになり、同じ比率でARR 100億円の事業だと10億円を失うことになる。

ARR 100億円が必然だと感じ初めた時点では、リテンション率は高いかもしれない。でも、それがイコール顧客に愛されているとは限らない。ここからは、退会されないSaaSから、愛されるSaaSに変わる必要があるのだ。

今経営しているSaaS事業の規模が大きくなればなるほど、その市場が魅力的な市場であることが明らかになる。つまり、隙を見つけてその市場に参入しようとする企業が増える。だからこそ、既存顧客が他社に乗り移らないようにするためにも、愛されるブランドや企業になる必要がある。

また、規模が大きくなるとリファーラルや口コミで活用できる顧客基盤ができる。他の人に教えたくなるような愛されるサービスに進化できれば、誰にも止められない勢いで成長を続けられるようになる。

NPSスコアなど、愛にリンクする指標を見つけて改善を目指すと良い。

組織とオペレーションを優位性にする

これまではタイミングやプロダクト、技術、そして複数の優秀なメンバーによって成長してきたかもしれない。でも、長期的に成長を続ける為ためには、組織とオペレーション重要視する必要がある。会社の文化と、従業員への投資がいつも以上に必要になるだろう。

課題が解決される、勝つことに執着する、そしてクリエイティブに働ける文化を浸透させて、ほぼ全ての従業員が成長を実感できる組織へと進化させていくのだ。

会社レベルではなく、個人が目標達成できている割合、そして文化の浸透率などを追うと良い。

市場の解像度を高めて戦略を固める

SaaS事業を推進している期間が長ければ長いほど、市場の解像度は上がっていく。どのセグメントに強く、どのセグメントに弱いのか。SaaSは、〈ニッチ〉の積み上げで拡大するので(参考記事)、今攻略できてるニッチ性でどこまでの事業規模を目指せるのか、さらなる拡大のために、今後攻めていくべきセグメントはどこなのか、そして、その攻め方までをも言語化する必要がある。

プロダクト、営業、マーケティングなどの各側面での中長期プランを立てて、今のうちに実行に移し始めていくべきだ。

ブランドを守る

時とともに、業界に対するブランド力はついてくる。ただし、長年築いてきた信頼と、ブランド力は、ほんの一瞬の出来事で失うことがあるので、徹底的に死守する必要がある。会社が大切にしている理念や、指針を浸透させるための取り組みや制度、顧客情報を守るチームや技術を構築する必要がある。

また、仮に何か起きてしまったときのため、迅速な対応ができるようなポリシーを決めておくことも重要だ。

レベルを上げ続ける

組織、チーム、技術、マネジメントなど、ありとあらゆる面で継続してレベルの引き上げをしていきたい。一度これを怠ってしまうと、ゆっくりゆっくりと、でも確実に後退していく企業になってしまう。

経営レベルからメンバーまで「チャレンジ」と「成長」に対して常に欲を持つことが大切。

他社ではなかなか辿り着くことができない規模まで成長することによって、今まで積み上げてきた実績と経験、そして集めてきた人と資金でできる範囲が拡大する。リソースをフル活用して、さらなる高みを目指すべき。

先にある世界

大規模な企業になると影響力が増し、発言の一つ一つが業界に大きなインパクトを及ぼすようになる。単にSaaSを提供する企業ということではなく、対象の顧客がいる業界を支える「インフラ」となる存在になり、同時に業界を進展させる力を持つ。

ここからどうすればこの業界を10倍良くできるのか。

ARR 100億円が必然と感じ始めたら、これらの要素を抑えて、さらにその先の大きな目標を持ち、より良い世界の実現を目指して欲しい。

(編集してくれたkobajenneに感謝)

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