組織にコミットする時代へ


Photo by: 1st Brigade Combat Team 82nd Airborne Division

世界中でスタートアップへの注目度が急激に高まっている。
ユニコーン企業の数も250社を超え、2018年アメリカ国内のベンチャー投資総額がすでに6.2兆円に達するなど、ドットコムバブル以来の驚異的なスピードで業界全体が動いている*。日本国内でも、2017年ベンチャー投資総額は2700億円を突破。これは2012年の4.3倍の金額だ*。これによって、資金力があり採用余力のあるスタートアップが世界中で増え、人材獲得の競争をより激しくさせている。

特にこの競争が激しいと感じられるのは、Google、Facebook、Apple、Amazon、Airbnbなどがあるアメリカだ。従業員の平均勤務期間が2年以下の企業が多いというデータが発表されている*

採用の競争がどんどん激しさを増すなか、起業家や経営者は人を巻き込み、活かし、そして人が残る良い組織をつくる事にコミットしないと真の「良い会社」は作れない時代になったと僕は思う。では、実際にどんなことにコミットすべきなのか?以下は、この時代の起業家に必要な ”3つのコミット” だ。

従業員に対してコミット
いま、働き方の選択肢がどんどん増えている。動画やソーシャルメディア、クラウドソーシングなどのプラットフォームの拡大によって、自分がパッションを持った分野でお金を稼ぐということがしやすくなった。
つまり、「お金(給料)」だけで人を巻き込むということはもうできないのだ。ミッションやビジョンへの共感。会社への貢献を実感できて自身の成長を感じられること。生きがいや働きやすさを常に実感できる環境づくりが重要になる。
従業員の育成、フレームワーク作り、方向性の定義など、すぐに結果に直結しないことに対して時間とマインドシェアを割り当て、コミットしていく必要がある。

素直になる事にコミット
良い組織をつくるために最も重要なのは、「素直さ」だと思う。トップダウンだけでなくボトムアップでフィードバックや情報を取り入れて、経営やマネジメントに反映させる必要がある。経営陣やマネージャーは、自分たちの弱みをお互いに見せあい、間違いも負けも素直に認める必要がある。

プレイヤーとして優秀な人は、自ら役割を果たし、成果や実績を築き上げる。そして効率よく働き、答えを導き出す。一方、経営者や管理職に必要なのは、重要な役割をメンバーに委任し、メンバーが成果や実績を出せる環境をつくることだ。

必要なのは「効率よりも育成」「答えよりも誘導」だ。

だから、プレイヤーとして優秀な人ほど、経営やマネージメントに携わることになったときに違和感を感じる。この変化を受け入れられる「素直さ」があるかどうかで良い組織づくりができるかどうかが決まる。

最高を目指すことにコミット
〈業績が良い = 組織の状態が良い〉というわけではない。
もちろん、業績伸びれば従業員の満足度は上がる。その一方で、組織の欠点や課題が見えづらくなる。良い時でも悪い時でも、徹底的に組織の状態を把握し、課題の早期発見と解決に取り組む「”最高” を目指すコミットメント」が必要だ。

そして最後に。僕自身ベンチャーキャピタリストとして、「最高の組織」を作るための支援ができるよう、起業家にとって良いコーチになれるようなスキルを磨き、経験を積み、そして良い組織のつくり方に対する知識を蓄えることをここにコミットする。

(edited by kobajenne

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情報を自分ごとにする重要性。妄想と無知さが生み出す戦略。〜 delyの堀江裕介

1200万ダウンロードを超える大ヒット料理動画レシピサービス「クラシル」を運営するdelyの堀江裕介さんにお話を伺いました。先日発表した、Yahoo! JAPANとのパートナーシップで話題になっていますが、今回のインタビューでは、彼の経営フィロソフィーや性格について聞きました。

【ハイライト】

  • 学生起業家の武器。
  • 妄想と無知さが特殊能力
  • アウトプットをあげるインプットの処理方法
  • 孫さんに気づいてもらった方法
  • 短期的には超シビア。長期的には楽観的。
  • “ハート to ハート”で人を巻き込む。
  • 人を採用するときは「夢とお金」は欠かせない。

Photo and sound edited by kobajenne

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SaaSの価格設定でよくある「間違い」

サンフランシコで開催された『SaaStr Annual 2018』で、Open ViewのBlake Bartlett氏とKyle Poyar氏が行ったプレゼンテーションの内容をまとめました。
※ 一部補足や説明も追加しています。(スライドはこちら

SaaSの価格設定は、誰しもがぶつかる悩みであり、最初から上手にできるスタートアップなどほぼいない。しかし、SaaSの価格設定が上手くできているかどうかは会社の成長スピードに関わる重要なポイントであり、決して無視することはできない。実際512社のSaaS企業を調査した結果、〈顧客獲得の最適化〉をするのと〈価格設定の最適化〉をするのでは、企業の成長インパクトに4倍もの差が出ることが分かっている。(下グラフ参照)

そこで、SaaSの価格設定でよく見受けられる「間違い」トップ5を紹介する。

価格が安すぎる

よくある間違いの1つは、価格を安く設定し過ぎること。導入のハードルを下げるために最初は手頃な価格を設定しがちだが、本来は、「このプロダクトに顧客はいくらまでなら支払うのか」をユーザーヒアリングを通して調査し、その結果を反映させるべき。

また、プロダクトは時間軸と共に常に改善され機能も増えるので、価格に変動が生じるのも当然のこと。Atlassian が2016年に買収した StatusPage の価格設定を時間軸と共に見てみると、2013年と2016年の価格の差は最大30倍にもなり、ARPUも当初より2.4倍になっていた。

価格体系が間違っている

アカウント数なのか、APIコール数なのか、それとも社員数なのか。何を基準に価格を変えるべきなのかを正しく決める必要がある。調査の結果、様々な業種や業界で利用されるHorizontal SaaSはアカウント数ベースでの従量課金を採用し、特定の業界に特化したVertical SaaSは利用ベースで従量課金をしている企業が多いことが分かった。

顧客がプロダクトやサービスから得られてる価値に比例して、課金する金額も上がる価格体系にすること。この時、その「価値」を表すKPIが何なのかを考える必要がある。

例えば、経費精算システム Expensify は、元々ユーザー数ベースで課金をしていた。そのため、顧客企業は毎月経費精算を行う社員の分だけのアカウントを登録し、時々しか経費精算をしない社員のアカウントは登録しないというケースが多く見られた。
そこで、課金ポイントを『該当月に経費精算をした”アクティブユーザー”』に変えた途端、全社導入のハードルが下がり、全ての社員が気軽にサービスを利用できるようになった。

もう1つの例として、不動産ブローカーや物件オーナー向けの物件管理SaaS VTS は、物件数ベースで課金をしていたため、物件規模に関わらず課金額が同じだった。つまり、小さい物件を管理してる人にとっては割高なサービスで、大きい物件を管理している人にとっては、非常に安価なサービスになってしまっていた。そこで、従量課金をするポイントを、物件数ではなく〈管理している平米数〉に変えることによって、適正な価格で課金できるようになった。

買いずらい(決めずらく)している

「自分の会社にとって最適なプランはどれなのか?」
「導入したら毎月いくらかかるのか?」
特に、営業手法が『セルフサーブ型』や『インサイドセールズ』中心のSaaSは、これらの答えをすぐに見つけられる料金ページを作成すべき。

参考にできる例として、Slackの料金ページでは、それぞれの料金パッケージがどういったチームや企業に向いているのか、そしてどういったメリットがあるのかを明確にしている。さらに『よくある質問』を同ページ内に表示させ、なるべくその場で疑問を解消できる仕組み作りをしている。

アップセルができない価格体系になっている

成長率が高いSaaS企業に共通する特徴の1つは『Negative Churn』であること。Negative Churnとは、退会による売上の減少額よりも、アップセルやアップグレードによる既存顧客の売上増額の方が上回っていること。以下のグラフからも分かる通り、年度成長率100%以上を達成しているSaaS企業は、売上継続率が平均して109%になっている。つまり、今月獲得できた売上100万円は、新規顧客を獲得しなくても1年後には109万円になっているということだ。

例えば、インフラのパフォーマンス監視サービスを展開する NewRelic は、利用しているインスタンスのサイズに応じて従量課金がされるようになっている。つまり、既存顧客はNewRelicのインスタンスを増やせば増やすほど、課金額が上がっていく〈アップセル可能な料金体系〉になっている。その結果、現在売上継続率は123%にもなるという。

別の例として、400億円以上で Atlassian に買収されたタスク管理サービス Trello も、より便利な追加機能の利用やコラボレーションをする相手の数を増やすために、別プランの購入が必要になる。

価格設定がダイナミックに変化していない

SaaS企業の価格設定は、会社のフェーズに応じても変化するべきだ。初期の段階では1つのプロダクトに対し単一の価格を設定したとしても、その後様々な機能が追加されたり、別のプロダクトが展開されたり、新しい業種がターゲット顧客層となるなど、会社がスケールすると共に価格設定もダイナミックに変化するべき。

SaaSの王者である Salesforce も1999年から新たな価格体系を展開しており、初期の価格から6倍値上がりしているプランもある。

価格は最初に設定したらそれで終わるのではなく、変動するものだ。
新しい機能を展開した時、ニーズの異なる新しい顧客属性を取り入れた時、そして、会社の信頼性やブランドが強化された時など、様々な理由やきっかけで見直す必要がある。

価格設定は会社の成長率や利益率に大きなインパクトを与える。
会社の内部で〈価格の最適化〉について常に考え、実行する担当責任者を置くと良いだろう。

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参入障壁を生み出す「13種類のネットワーク効果」

本記事は、https://www.nfx.com/essays を要約したものです。著作者(James Currier)から転載の許可を得て掲載しています。
※一部説明を加えています。

PayPal、Microsoft、Facebook、Uber、Twitter、 Salesforce。どの企業も世界に大きなインパクトをもたらし、そして、大きな「価値」を持つ。

これらの会社に共通することとは何なのか。
それは、彼らが強力な「ネットワーク効果」を持っているということだ。

「ネットワーク効果」は、参入障壁を生み出すための4つの要素のうちの1つ。その他にも参入障壁を作るための要素として「ブランド」「スケール」そして「エンベッド(埋め込み)」があるが、「ネットワーク効果」は、特に強い影響を持つ。

ネットワーク効果とは、同じプラットフォームやサービスを利用するユーザが増加することによって、それ自体の効用や価値が高まる効果のこと。例えば、電子メールを使うユーザーが増えれば増えるほどメールを送信できる相手が増加し、メール自体の価値が高まる、というのも1つの例だ。

ネットワーク効果は、13のタイプに細かく分類することができ、それらは全て大きく5つのカテゴリーに属している。下図は、これら13のタイプをカテゴリー別に色分けしたもの。円の中心にある〈Physical (物理的)〉は、ネットワーク効果の中でも一番強い影響を持つ(参入障壁が一番高い)。円の外にいけばいく程、ネットワーク効果が弱くなる。

これから、ネットワーク効果が強い順に、それぞれのタイプを紹介していこう。

Physical (Direct)
上図で、青色にカテゴライズされているのは「Direct Network Effects」。
一番シンプル、且つ強いネットワーク効果で、プロダクトが利用されればされるほどユーザーに還元される価値が上がる。

フィジカル・ネットワークの分かりやすい例は、電話回線のネットワーク。電話をかける相手が1人しかいなければ「電話」自体に大きな価値は無いが、かけられる相手が増えれば増えるほどその価値は上がる。電話回線を引くという多額な先行投資こそ必要なものの、一旦整ってしまえばマーケットを独占できる程の強力なパワーを持つ。

例:道路、線路、水、電気やケーブルテレビなど。

Protocol (Direct)
プロトコル・ネットワークは、コミュニケーションや情報処理がスタンダード化され、誰でもそのプロトコルに沿ってネットワークを活用できる。

例:FaxやTCP/IP。最近ではビットコインや、イーサリアムなど

Personal Utility (Direct)
パーソナル・ユーティリティー・ネットワークには、主に2つの特徴がある。
まず、ユーザーのアイデンティティー(身元)がネットワークに紐づいていること。もう1つは、ビジネスや個人的な理由で、そのプロダクトまたはサービスが毎日利用されていること。主にコミュニケーションやコラボレーションの手段になることが多い。

例:Facebook Messenger、Slack、SkypeやSMSなど。

Personal (Direct)
パーソナル・ネットワークは、利用者の「アイデンティティー」と「評判」が紐づいているネットワーク。このネットワークを活用して自身の評判を築いている人が増えれば増えるほど、ネットワークに参加するインセンティブも増え、価値も上がる。

例:Facebook, LinkedIn, Twitterなど。

Market Network (Direct)
マーケット・ネットワークは、「アイデンティティー」と「コミュニケーション」の要素に「トランザクション(取引)」の要素が加わったネットワーク。
純粋な取引だけを目的としたマーケットプレイスのネットワークと違って、ワークフローやコラボレーションができるネットワークで、プロとしての評判を築くこともできるのが特徴。

例:Houzz、AngelList、HoneyBookなど。

Marketplace (2-Sided)
2-Sided(2面性)・ネットワークは、「需要サイド」と「供給サイド」という2種類のユーザーが存在するときに生まれる。例えばクラウドソーシングサービスでは、サービスを提供する側(供給)とサービスを受ける側(需要)の2種類のユーザーがいる。

例:eBay、Alibaba、Amazon Marketplace、Etsyなど。

Platform (2-Sided)
プラットフォーム型・ネットワークは、先ほど紹介したマーケットプレイス型とは異なり、供給サイドがプラットフォームに統合させるための開発を行う必要がある。つまり供給サイドは、技術者やプロダクトを開発している会社になる。

例:iOS、Microsoft、Nintendoなど。

Asymptotic Marketplace (2-Sided)
2面性のマーケットプレイス・ネットワークは、1つとして同じになることはない。特に大きく異なるのは、ネットワークへの参加者が増えたときの、「需要の価値」が上がるスピード。以下グラフを見ると、UberやLyftのような「Asymptotic(漸近的な)・マーケットプレイス」(赤色)よりも、eBay や Craigslist といったマーケットプレイス型・ネットワーク(オレンジ色)の価値の上がりかたの方が、早いことが分かる。

例えば Uber や Lyft は、運転手が増えれば増えるほど、乗客にとってのメリットは増える。その一方で、乗客が得られる価値は急激に減少する。
車が捕まるまで8分かかっていたものが、4分になるのは大きな違いを感じるかもしれないが、それが4分から2分に変わった場合はどうだろう?先ほどよりは、価値を感じなくなるだろう。特定のエリアに一定数の運転手や車が集まってしまえば、それ以上増えたとしてもユーザー体験自体はそこまで変わらなくなるのだ。

Data Network Effects
データ・ネットワークは、名前の通りデータが集まれば集まるほど、そのデータを元にユーザーに提供できる価値が上がるということ。
データのネットワーク効果は、人と人との繋がりから生まれるネットワーク効果よりも弱い。それは「Asymptotic(漸近的な)・マーケットプレイス」同様、一定の数を集めてしまえば、それ以上を集めても得られる価値が大きく上がらないからだ。

例:Google、食べログ、Wazeなど。

Tech Performance Network Effects
テックパフォーマンス・ネットワークとは、ネットワークに参加するユーザーが増えるほど、パフォーマンスも上がるというもの。
例えば、BitTorrent のような Peer-to-Peer でファイル共有をするネットワークは、その同じファイルを共有(Seed)しているユーザーが増えることで、ダウンロードのスピードが上がる。

例:BitTorrent、global VPN、Hola

Language (Social)
言語もネットワーク効果の1つだ。世界には、日本語より英語を話す人の方が10倍近く多く存在する。そこから、「英語」という言語によるネットワーク効果の強さの差が生まれる。

人は、何かを検索する時に「ググる」と言ったり、『仮想通貨』といえば真っ先に「ビットコイン」を思い浮かべる。このようにスタートアップは、言語の中に入り込むことによって、言葉のネットワーク効果を活用することができる。

例:英語、日本語、グーグル、ゼロックスなど。

Belief (Social)
宗教など多くの人が信じる概念には、信念のネットワーク効果が生まれる。
最近の事例として、ビットコインの価値を信じる人が増加したことで、ビットコインの価値が急激に上がるという現象が起きたことが挙げられるだろう。

例:ビットコイン、金、宗教など。

Bandwagon (Social)
最後に、Bandwagonは「仲間外れになりたくない」など人間が生きている中で感じる社会的なプレッシャーによってネットワークに参加したくなる効果。

例えば、テック業界でSlackを使ってない会社は、モダンなコミュニケーションを取り入れられていない印象を持たれてしまうことがある。

Appleも、彼らのブランディングやPR活動により「Apple製品を持つことで “クール” な集団の一員になれる」という社会的プレッシャーを生み出すネットワーク効果を構築することに成功している。

例:Apple、Slack、Githubなど。

以上が「13種類のネットワーク効果」だ。

それぞれのネットワーク効果には、特徴や強さの違いがある。自分が展開しているサービスやプロダクトにどういったネットワーク効果があるのか、そして、それを強化するためにはどうすれば良いのかを考えるための参考にして欲しい。

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1勝9敗のマネージメント法と意思決定のフレームワーク。クラウドワークス社の吉田浩一郎社長にインタビュー

ポッドキャストシリーズ 第4段。今回のゲストは、設立3年で上場を果たしたクラウドワークスの吉田社長。
彼が経験した様々な苦労から学び得た超実践的マネージメント手法や上場後に感じた課題とその解決策、そして自分自身の型にハマったライフスタイルとは。

【ハイライト】

  • 成果=結果+伝達
  • 苦労から学んだ経営方法
  • 1勝9敗のマネージメント法
  • 「約束」と「バブバブ」の時間を設ける理由
  • あらゆる物を固定化する重要性
  • 意思決定に必要な「事実と解釈」

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難しい決断、楽な人生。楽な決断、難しい人生。


Photo by: U.S. Naval Forces Central Command

“Hard choices, easy life. Easy choices, hard life.”– Jerzy Gregorek.

重量挙げの世界チャンピョンに4度輝いたジェルジー・グレゴレックの名言。

今のうちに難しい決断をすれば人生は後から楽になるけれど、逆にいま楽な決断しかしなければ後に難しい人生を過ごすことになる。多くの人は、緊急度が高く決めやすい事から先に決断していく。でも、そもそも緊急度が高くなってから決断するということは、すでに厳しい状況に担っているまたは、すでに手遅れに近い状態になっていることが多い。そうならないために「考える時間」を作り、状況が難しくなる前に、緊急度が低いうちに、「難しい決断」をするよう心がけることが大切だ。

では、今のうちにできる難しい決断とは何か?

健康:たとえ健康診断の結果で指摘されても、自覚症状が無ければ誰もが後回しにしてしまう決断の一つ。「食べたい物を食べる、忙しいから運動はしない」など楽な決断をしてしまうと、後に大きな代償を払うことになるかもしれない。早めに健康を意識する決断をすれば、我慢の少ない楽な人生になる。

人間関係:〈自分〉という存在が「最も時を長く共にする5人の人間の平均」から作られるものと考えたら、周りに置くべきは『自分がもっと良くなれる影響をもたらしてくれる人』だ。自分の周りに、ポジティブな影響がない人がいるのなら、早めに関係を無くした方が良い。残酷に感じることでもあるし難しい決断になるかもしれないが、自分の成長に繋がる重要な決断だ。

経営の先手:プロダクト・マーケット・フィットを達成しているスタートアップにとっての次の難しい決断は、プロダクト戦略やチーム・組織構成になることが多い。
そんな時は3〜4年後、自分の会社をどのような形にしたいのかをイメージする。そのイメージに向かって達成すべきマイルストーンや、プロダクトの状態、売上構成、組織構成を考えることで、今のうちにできる「決断」を見極めることができる。

不都合な真実:比較的緊急度が低く、でも重要な事柄を決断するためにも、自分の状況を客観的に理解できるよう心がけるべき。「感情」の邪魔が入って、自分の事や事業について客観視できていないと感じた時は、メンターや株主を活用して、自分が避けてる〈不都合な真実〉から目を逸らさないよう努力して欲しい。

「緊急度が低く 重要度が高い 難しい決断」は、考える時間を要する。忙しくしている間は楽な決断の優先度を上げてしてしまいがちなので、週に1日〜2日は、予定を全く入れずに「考える時間」を積極的に作ってみる。後から少しでも楽な人生を過ごせるように、真実を求めて、早めに「難しい決断」をしよう。

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セールスフォースのセールズフォース

時価総額約8兆円のセールスフォース・ドットコム。
成長の勢いは止まることを知らず、来期の売り上げ予想は前年比20%増の1.4兆円だという。この「SaaSの王者」の営業部隊の中は一体どうなっているのか?
日本のセールスフォース・ドットコムでフィールドセールスのチームそして、インサイドセールスチームを引っ張る寺本 裕一さんと鈴木 淳一さんに話を聞きました。

今回は前回に続いて、『SaaS Conference TOKYO 2017』での対談の一部をポッドキャスト配信します。

今回のポッドキャストのハイライトはこちら:

  • Salesforceの営業部隊の構成について
  • 組織の拡大方法とは?
  • Salesforceの採用プロセスとキャリアパス
  • 営業部隊の教育とオンボーディング
  • KPI設定と営業プロセス

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SmartHRとSaaSのZero to One

宮田社長が初期のメンバーと作った「文化」と「マネージメントスタイル」は、SmartHRの急成長に大きく貢献していると思っている。
今回は初のポッドキャストという形で、先日行ったSaaS Conference Tokyo 2017での宮田社長との対談を一部公開することにした。

今回のポッドキャストでは、これらについてディスカッションした:

  • 文化の基盤の作り方
  • コアバリューを会社に浸透させた方法
  • SmartHRの採用プロセス
  • なぜ情報をフルオープンにしているか
  • 立ち上げ時の人員構成
  • もし何かをやり直すとしたら、何を変えるか

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急成長する起業家のマインドセット


Photo by: Filip Stepien

起業家たちの成長スピードはそれぞれ違うし、決して同じになることはない。
そんな中、僕が支援している起業家の中で、いつの間にか僕が〈師匠〉や〈先生〉と仰いでしまうほど急成長する起業家がいる。この成長率の差に何か理由があるとしたら、それは、起業家の『マインドセット(考え方)』にあるのではないかと僕は思う。

今回は「事業の成長」という見方ではなくて「人としての成長」という面に重点をおいて、そのマインドセットの違いについて書いてみようと思う。

強みと弱み
成長率が高い起業家と低い起業家に生じる大きな差の一つは、自分自身の強みと弱みに対する意識の違いだ。
成長率が高い起業家は、自身の強みと弱みを深く理解していて、短所を隠さず周りに伝えることができる。そして自分の短所を補完できるような人を積極的に周りに置こうとする。常に周りからのフィードバックを求めて、自分の失敗や苦労をオープンに共有する。
以前、急成長している支援先の起業家に「株主や仲間をどういう基準で選んでいるのか」と聞いたところ、「この人を自分の周りに置くことで、会社はもちろんのこと自分自身も成長できるのか、を自分に問うようにしている」という回答が返ってきた。
色々な視点の意見を取り入れたり指摘に耳を傾けたりすることで、自分や会社に対する問題点を洗い出し、常に成長に繋げていこうとする。そういった高い意識がある。
逆に成長率が低い起業家は、自分の弱みを隠そうとする。自分や事業の状況をオープンにせず、仲間や株主など支援している側の人間からのフィードバックもあまり受け付けない。閉鎖的な状況を作り上げていく傾向がある。

成功と失敗
「成功」の定義の仕方と、「失敗」を経験した時の反応にも差がある。
成長率が高い起業家は、失敗を経験した時こそモチベーションをさらに上げて、同じ失敗を繰り返さないように素早くアクションを取る。先日も支援先の急成長起業家に、組織に関する問題を指摘したところ、彼らはすぐに改善に向けて行動を始めた。後日、ある程度時間が経過した後で再度組織を評価したところ、問題視していたポイントが見事に解消されていた。その一方で、成長率が低い起業家は、失敗を経験した時点でモチベーションが低下してしまい、真正面から問題に立ち向かうことができず、問題がいつまでも改善されない。

失敗だけじゃない。成功したときも同じだ。
成功を体験したとき、成長率の低い起業家は、目の前に出た結果の話だけをしようとする。でも成長率の高い起業家は、結果だけでなく、どういった施策や要因によって良い結果を導くことができたのか、「結果の出し方」に物凄いこだわりを持っている。もし、その結果の出し方に納得しなければ、逆に反省して、根拠をもって同じ結果を出せるようにアクションを取る。勝つことだけに執着するのではなく、「勝ち方」と「自身を成長させること」に高いモチベーションを持つ。

チャレンジ
難しいことや困難に直面したとき、ほとんどの人は思考を止めて逃げ出したくなる衝動に駆られるだろう。成長率が高い起業家は、そんな時こそ立ち止まらず、前へ前へと進もうとする。急成長している起業家からは、
「事例がなければ自分が事例を作る」
「成り立たないと言われていることだとしても、自分が成り立たせてみせる」
「不可能を絶対に可能にする」
という言葉を聞くことが多い。もしかするとチャレンジそのものを楽しんでるのかもしれない。

目線とモチベーション
急成長する起業家は、目線がどんどん上がっていく。目標の達成が近づいてきたら、もっと高い目標を目指し、それを繰り返していく。自分の限界にチャレンジし続ける。そして、その高いモチーベーションを維持し続ける秘訣は、決して金銭的なことではなく、社会に対するインパクトや、偉大な ”何か” を創造したいという強い想いにある。

これらが、これまでたくさんの起業家たちと出会ってきた中で僕が感じている『起業家のマインドセット』の違い。マインドセットは持って生まれたものではなく、自分を置く環境や日々の練習によって変えられるものだと思う。だから、自分を成長させるためのマインドセットに変えていくことは、今からでも十分可能だ。肝心なのは「自分をもっと良くしよう」を優先的に考える姿勢。その為には、エゴを捨てて弱みをさらけ出して、周りに頼ることも重要なのだと思う。

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VCとして、理想の自分


Photo by: Erik Drost

職人やアスリート、アーティストたちが最高の結果を導くための「理想の自分像」を持っているように、起業家やベンチャーキャピタリストも自分にとっての「理想な状態」のイメージがある。どんな職に就いていても、この「最高」の定義は統一することはできず、最高のレベルに達する道も一つではない。自分の性格や長所を活かしたプレイスタイルを見つけるのが肝だ。

僕にも自分が理想とする『ベンチャーキャピタリスト像』がある。
でも、この「理想」に近くまでには、まだまだ時間がかかると思っているし、最低でも10年、いや、最悪30年かけても達成できないかもしれない。実は今回のポストは、もともと自分のためのメモとして書き留めていたもの。でも、自分へのリマインダーとして、そしてコミットメントを共有する意味も兼ねてここに公開してみたいと思う。

感情コントロール:常に感情を安定させること。起業家はものすごいスピードで変化する環境の中で、様々な側面から発生する会社の課題を解決する。ハイな時は自分が〈無敵だ〉と感じ、ローな時にはこれは〈地獄か〉と感じる。まさに感情のローラーコースターに乗っている。ここで、起業家を支援するパートナーである僕が同じ状態になってはならない。どんな状況下にあっても感情をコントロールして、常に客観的なフィードバックをし、適切な対応ができる人間であるべきだ。

この感情のコントロールは、投資判断をする時にも重要だ。ベンチャーキャピタリストは起業家のビジョンやパッション、可能性を深く知ろうとする。その過程の中で、強いパッションの”伝染”や、大きな機会を見逃しているのではないかという恐れなど、色々な感情や想いが芽生える。でも、過度な楽観性や恐怖心は、結局良い投資判断に結びつくことはない。感情に振り回されないこと。

勇気:たとえどれだけ険しい道が待ち構えていようとも、自分が信じる起業家、そして事業をサポートし続ける勇気を持つこと。起業家たちに対する僕の信念が強ければ強いほど、僕は多くの時間、評判、そして資金を使う。リスクを背負う勇気を持つ。リスクを避けていては、僕が目指す最高のVCにはなれない。

「勇気」を持つべきは自分だけでなく、起業家も同じこと。僕は、ここでも起業家の勇気を引き出す助けをしていきたい。さらに大きな目標を立てる勇気、もっと早く行動する勇気、難しい決断をする勇気。起業家が偉大なゴールを達成するための ”もうひと押し” ができる人間である必要がある。

ポジティブ:僕と話をした後、その人の自信やエネルギー、野心、インスピレーションが増すような、周りの人にポジティブなインフルエンス(影響)を与えられる存在であること。
自分がポジティブなエネルギーを放出し続けるためにも、自分の健康とエネルギーは常に高く維持する努力が必要。そして、自分の周りにポジティブなエネルギーを持つ人を置く必要がある。

ハッスル:「僕」という存在を常に進化させるためには、僕自身がどれだけ努力し自分を成長させるかにかかっている。スマートに働くのは当然のこと。ハードにハッスルし続けなければ、理想の自分に近づくことはできない。諦めるな、常にハッスルしろ。

知的好奇心:知的好奇心は、ベンチャーキャピタリストにとって強い武器になる。業界、トレンド、テクノロジーについての情報をより多く吸収することによって、投資の精度も上がる。そして、経営に関するあらゆる経験とノウハウを築くことにより、一段と強力な起業家のサポーターになれる。マインドは常にフレッシュで、知的にハングリーであり続けることを忘れない。

信頼と透明性:人との強い絆を創るためには、強い信頼を得る必要がある。常に正直であること、フェアであること、そしてブレないこと。ペイ・フォワードを意識し、まずは ”GIVE” することを大事にする。

自分の経験と知識のレベルが上がるにつれ、世界中で活躍する偉大な人々と出会い、信頼を築けるようになる。

バイアスを無くす:過去に挑戦されて失敗したアイディアが、別の起業家、違うアプローチ、そして異なるタイミングで挑戦した結果大成功したケースはたくさん存在する。「一度失敗したから」を理由にアイディアを却下するべきではない。次の大きな機会を捕らえるためにもバイアスを無くし、今そこにある真実を追求し続けるべきだ。

ベンチャーキャピタリストとしての理想の自分像。上手く実践できていると思える点は少ない。実際のところ、ほとんどが「まだまだ」だ。冒頭でも述べたように、一流になる方法は一つではない。僕は、自分の長所と短所、自分の性格、そして自分が戦いたい方向からこのような考えを生み出している。これを読んでくれているみんなにも、「理想の自分」を文章にすることを試してみてほしい。そして、将来その理想が現実になるように、挑戦し続けてほしい。

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