日本発のグローバルSaaS企業をつくるには

Salesforce、Notion、Zoom、Microsoft Officeなど、僕たちが日常的に使う多くのSaaSプロダクトは、海外からやってきている。日本のSaaSイノベーションブームは最近始まったばかりだが、今後グローバルで活用される日本発のSaaSが出てくるのだろうか。

今回は、日本発のグローバルなSaaS企業をつくるにあたり、抱えるであろう課題は何なのか。そして、どのようにすればグローバルに通用するSaaS企業を作ることができるのかについて書いていきたいと思う。

難しい理由

グローバルで通用する日本発のSaaS企業の誕生が難しい理由はいくつかある。

競争環境:

SaaSのグローバル展開の難易度は、今まで以上に上がっている。SaaSのイノベーションは世界中で同時多発的に起きており、他の国に参入しようとした時には競合他社がすでに存在している可能性が高い。

特に営業主導型のSaaS企業にとっては、優れたソリューションを作るだけでなく、その市場での営業やマーケティング人材の確保の面でも競争がおこるだろう。その市場で勝ちたいのであれば、より優秀な人材を現地で採用し、非常に強い実行力を持つ必要がある。

ニュアンス:

バーティカルSaaSの場合は特に、同じ業界、分野の仕事でも、他の国とはマッチしない「ニュアンスの差」がある。例えば、企業の運営スタイル、法律、社会保障や税務の制度、ビジネスの取引方法などが挙げられるだろう。

これらのニュアンスの違いによって、顧客のワークフローが変化し、優先順位が変わる。ニュアンスの異なる他国に進出すると、プロダクト設計、ユーザーインターフェース、カスタマーサクセスをその国に合わせる必要が出てくる。場合によっては、一からプロダクトを設計し直す必要が出てくるだろう。

アダプション:

日本のSaaS普及率は勢い良く上がっているが、アメリカと比べればまだ遅れをとっているのが現状だ。日本は、アメリカに7年遅れを取っているクラウド「抵抗国」と言われている。

実際、日本がSaaS普及拡大フェーズに入るなかで、アメリカでは普及の先に出てくる2.0の需要を満たすプロダクトが誕生し始めている。例えば、Notionは、TrelloやEvernoteなど様々なSaaSプロダクトの要素を組み合わせたモダンなソリューションを提供している。他にも、SkypeやWebexが満たせていなかった顧客需要を捉えたZoomや、元々エンジニアにしかできなかったダイナミックなデータベースの構築を特別な知識がない人でも構築可能にしたAirtableなどがある。これらのプロダクトは、様々なSaaSが普及した後に顕在化されるニーズ、そして現れる機会であることが多く、北米のSaaS起業家はその需要に率先して気付くことができる優位性がある。

グローバルなSaaS企業を作るには

では、このようなチャレンジが多い中で、日本からグローバル展開をするにはどんな要素が必要なのか?

ボトムアップ

グローバル展開をする時は、営業ドリブンなモデルよりも、ボトムアップなプロダクトドリブンなユーザー獲得戦略を取る方が比較的進めやすいだろう。営業ドリブンの場合、参入市場となる各国で営業チームを構築しなくてはならないので、現地での採用面でも他社と競わないといけない。また、営業ドリブンは先行投資額が膨大となり、資金が多く必要になるので、海外展開のタイミングも遅れてしまう。

一方で、営業人員を求めない、プロダクトドリブンなユーザー獲得戦略ならば、海外展開へのスピードや資金効率の面で見ても比較的進めやすいだろう(参考記事:トップダウンなのか、ボトムアップなのか?SaaSのGTM(市場戦略)の考え方)。

世界レベルのUI / UX

ボトムアップ戦略を成功させるためには、他社を圧倒させるほどのレベルのUI/UXが必須となる。ほぼTo Cと変わらないような獲得戦略になるので、To Cプロダクトに求めらえる「サクサク動く」動作や使い勝手、使っていて「気持ちが良い」や「楽しい」感覚が必要だ。

ユニバーサルなユースケース

プロダクトのユースケースは普遍的で、仕事をする上での基本的なニーズを満たすものの方がグローバル展開がしやすい。それは、国や文化ごとに固有のものがあってはならない。Zoom、Notion、Slack、Superhumanが非常に早くグローバル普及している理由は、それらのユースケースが普遍的であるから。

コミュニティー

バイラル性や口コミ効果が強いSaaSプロダクトにする事が望ましい。特にエンジニアコミュニティーでは、これが分かりやすく健在していて、RubyやGoといったプログラミング言語には、世界中に熱烈なフォロワーがいる。また、プロダクティビティーのマニアや、学生YouTuberの中ではNotionのファンが多く存在しており、これによってサービスが世界中に広がるスピードを加速させている。ターゲットユーザーが思わず発信したくなるような高品質なプロダクト、熱烈なユーザーが各国に集まる取り組みなどがあると効果的かつ効率的に拡大させることができる。

先端にいる

前述の通り、グローバル展開の観点で北米が有利なのは、彼らがSaaSアダプションの先端にいるからだ。その遅れを取らないためにも、需要の先に顕在化するであろうさらに先の需要を常に見る必要がある。最先端の需要、最先端の事例、そして最先端の技術を掴むための取り組みが必要だ。

以上が、僕が考えるグローバルSaaS企業のチャレンジとそれを克服するための大要素だ。もちろん、機会によって展開の仕方は異なってくるし、必ずこれらの要素がないとグローバルで成功できないという訳ではないが、グローバル市場で闘う場合の勝率は上がると思う。多くのSaaSスタートアップが生まれ始めている日本から、グローバルに普及できるサービスが近い将来出てくることを僕は強く願っている。

(編集してくれたkobajenneに感謝)

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「最初の2年は全然ダメだった」DX時代の波にのるまでに変えたこと。~ ヤプリ 庵原 保文

去年30億円を調達し、従業員数は170名を超える急成長SaaS企業ヤプリ 。でも、この波に乗っているヤプリも、立ち上げ当初は様々な困難に直面してきた。

今回のポッドキャストは、SaaSのハード・シングズについて、独特な役員会のスタイルについて、そして2020年DXの時代についてなど様々なテーマでディスカッションしました。

【ハイライト】

  • 最初の売り方と値段が間違っていた理由
  • エンタープライズにスイッチした理由
  • 最初の20社の獲得方法
  • PMFを感じた瞬間
  • 顧客への訴求がどう変わったか
  • 創業者の心の持ち方
  • やり直すとしたら、コアカスタマーを賢く探す
  • 独特な役員会のスタイル
  • 権限移譲して初めてできるようになったこと
  • 2020年からはDXの時代
  • SaaSユニコーン大量生産の時代

(ポッドキャスト編集してくれたkobajenneに感謝)

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タスクの抜け漏れを防ぎ、そして生産性の高いTo Doリストを管理する方法

タスク管理に使っているアプリは何か、そしてどのように運用しているのかという質問をよくされる。

● 僕が使っているアプリ・・・Notion

● どのようにTo Doを管理しているのか・・・プロダクティビティコンサルタントのDave Allenが「Getting Things Done」という本で紹介したコンセプトを取り入れている。

この詳細は、短い動画にまとめてみたので興味のある方はぜひ見てみてください!

動画で使用したNotionテンプレートはこちらで複製可能に設定してます

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今が起業する絶好のタイミング。コロナによって生まれる新しいSaaSの需要とトレンド。

”変化はスタートアップを有利にする”

ロエロフ・ボサ(セコイアキャピタル)

いま、社会と経済は世界中で大きな変化の時期を迎えている。そしてこの変化は、様々な面で新しい需要を誕生させている。

この需要を捉え、実行に移すことができる機動力の高さを持ち合わせているのが、スタートアップだ。直ぐに舵を切りにくい大企業に比べて、圧倒的にスタートアップは有利になる。

変化が起きてる今が起業する絶好のチャンス。今回は、コロナによって生まれた新しい5つのSaaSの需要とトレンドを紹介したい。

新たな体験:

リモートワークによって、様々な新しい体験や取り組みが生まれている。新入社員をリモートでオンボーディングしたり、面接や採用がオンラインで完結されたり、「Zoom飲み」という活動や、バーチャル背景を名刺代わりに活用するなど、今までやったことのない新しい体験をしている人が増えている。

これらの体験は、今使われているサービスの提供者や開発者が想定していなかった使われ方の場合が多く、まだまだ改善できる余地が大きい。

新しい体験。そこには、新たなサービスの立ち上げチャンスがある。

コラボレーション:

コラボレーションツールの需要が今まで以上に高まっている。例えば、リモートでブレストを可能にするMiroや、非同期の動画コミュニケーションをする Loom 等のサービスは、今の変化で加速しているコラボレーションの需要を捉えている注目のサービスだ。

そして、急速に普及するZoomは、テレカンには向いているサービスだが、それ以外の利用シーンだとまだ不十分なところが多い。オフィス環境では可能だった社内交流や、とっさな相談、社員のモチベーションや健康を管理をリモート環境で実現するサービスを立ち上げる機会は、まだ存在しているだろう。

イベントとセレンディピティー:

カンファレンスやイベント開催は、一気にオフラインからオンライン開催の流れに。毎日あちこちで開催されるウェビナーの体験は、オンラインならではの利点はあるにせよ、まだまだオフラインイベントに優っていない部分も多い。例えば、参加者同士の交流、参加者を巻き込んだインタラクティブなセッション、スポンサー企業の展示などの要素を実現できるデファクトとなるようなサービスがまだ出てきていない。

オンラインイベント周りのソリューションは、緊急性も高く、需要も高い分野だろう。

オンラインシフト:

飲食、リテール、フィットネス、カウンセリングなど、普段オフラインで購入したり受けるサービスや製品が、どんどんオンラインにシフトしている。Eコマースプラットフォームの「BASE」は、直近の決算資料で新規ショップの開設が急増していることを公表しており、また北米でも、E-Commerceの普及率がここ8週間で急増しているデータも出ている。

オフラインからオンラインへとスイッチをするとき、オムニチャネルの管理、オフラインではなかった新しい業務フローの発生、オンラインのサポート強化など、課題や機会が山ほど生まれる。これは新たなSaaSが活躍する絶好の機会だ。

データマネジメントとセキュリティー:

大量の情報を一気にクラウドに移行しようとすると、そこには様々な課題が出てくる。情報処理のスピード、安定性、権限管理、セキュリティーなど考えなくてはならないポイントが多くあるのだ。例えば、クラウドのデータマネージメントを支援する「Snowflake」のようなサービスは、データ周りの解決をする注目企業だ。

データに関する課題は奥が深く、機会はまだまだたくさん眠っているはずだ。

変化は、起業のチャンスを増やす。

変化は、スピード感のあるスタートアップにとっては有利な機会になる。

今僕たちが迎えているこの変化は、クラウドへのシフトを加速させ、SaaSの需要をさらに高めることになると僕は信じている。

(編集してくれたkobajenneに感謝)

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必要なのは、今まで以上の「共感力」。不況下におけるSaaS企業のマーケティングフレームワーク。

マーケットが変化すると、顧客の頭の中の優先順位が変わる。SaaS企業は、この変化に適応しなくてはならない。では、SaaS企業がどのように顧客をセグメント化し、それぞれのセグメントに対しての戦略を立てるべきなのか。

顧客セグメント

フレームワークを紹介する前に、顧客のセグメント化とサービスのカテゴリーについて説明しよう。まずマーケットが大きく変化したとき、大きく分けて4つのセグメントに顧客をカテゴライズすることができる。

急ブレーキ:
大きな打撃を受け、売上も急激に減少しているセグメント。または、会社自体がすでに存続危機に陥っているセグメント。

向かい風:
ダメージ具合は軽症で、多少なりとも売上にインパクトが出ている。しかし、会社や事業は継続させられる可能性が高いセグメント。

変化無し:
シフト前と後で、特にマーケットに大きな変化は起きていないが、過去と比べてコスト意識が高まっているセグメント。

追い風:
マーケットシフトによって、需要と売上がさらに伸びているセグメント。

サービスの優先順位

企業が導入するサービスは、4つのカテゴリーに分けることができる。

エッセンシャル:
事業や仕事を進めるために、必要不可欠なサービス。

正当化可能:
ROI(投資対効果)によっては、導入を正当化できるサービス。

延期可能:
導入するメリットはあるが、導入タイミングは調整することができるサービス。

重要でない:
導入の正当化が難しいサービス。

不況時のマーケティングフレームワーク

不況時、顧客セグメントごとに各サービスカテゴリへのニーズがどう変化するのかを表したのが、下の表だ。

このフレームワークは、ハーバード・ビジネス・スクールのJohn Quelch氏が、不況時に起こる消費者の消費行動の変化を分析し作られた表を基に、これをB2Bの世界に応用してみたものだ。

(画像をクリックすると拡大します。)

グリーンゾーンに入ってるSaaSは、不況に陥ってもニーズが比較的安定している。イエローゾーンは、導入のハードル自体は通常よりも高くなってしまっているゾーン。そして、レッドゾーンが、導入検討さえも難しくなっているゾーンになる。

ゾーン別のアクション

それぞれのゾーン別に、実行すべきアクションや考えるべきこと。

グリーンゾーン引き続き、顧客はより良いソリューションを求めているゾーンになるので継続的に「認知」を取りに行くこと。そして同時に、安心、安全、そして信頼度を向上させるブランド力も重要だ。急ブレーキや、向かい風に打たれている顧客セグメントは予算取りが厳しくなっているので、プライシングの工夫などで導入のハードルを下げることも検討すると良いだろう。

イエローゾーン導入の緊急性を高められるかどうかがキーになる。ROIを今まで以上に分かりやすくすること。そして顧客に対し、導入を延期をすることで生じるであろう機会損失などを訴求する。顧客にとって、より『エッセンシャルなサービス』になれるよう、プロダクトやカスタマーサクセス、セールス、そしてマーケティングとも積極的に連携すべきだ。

レッドゾーンこのゾーンに入るSaaSは、根本から戦略を考え直す必要がある。景気の良い時だけにしか売れないSaaSではなく、不況下でも売れる状態に変わることが望ましい。高いROI生み出し、業務効率の向上が目に見えて実感できるようにするにはどうすれば良いのか。顧客から見て、より『エッセンシャルなサービス』になるためのポジショニングを獲得するための施策を、今一度練り直す必要があるだろう。

いつも以上に共感力が必要

顧客一人一人がどういう状況の中にいるのか。何に一番困っていて、何を優先的に進めているのか。SaaS企業は、顧客の状態を常に把握すること。そして、パーソナライズされた、より共感できるメッセージを持ち続けることが重要だ。

そしてそのメッセージは、プロダクト、マーケティング、カスタマーサクセス、そしてセールスを通して一貫性を持って伝えていくべき。ここで求められるのは、各部隊の連携力だ。

このフレームワークを、現状分析やプランニング時に活用してみてほしい。

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SaaSは、今こそ「未来のARRを最大化すること」を優先すべき

変化が激しい困難な時期のなか、想定以上に様々なハードルやチャレンジに直面しているというSaaS企業も多いだろう。この状況下でSaaS企業はどういった判断軸で行動するべきなのか。

僕は、今のARRを最大化することよりも未来のARRを最大化することを最優先にすべきだと思っている。今回の記事では、カスタマーサクセス、営業、そして戦略の3つの側面で「未来のARRを最大化すること」の考え方について書くことにした。

カスタマーサクセス

今までプロダクトを提供している中で、ダウングレードされたり解約されたりすることが少なかったSaaS企業の多くは、ダウングレードや解約に関して、あまり柔軟性のある規約を定めていないだろう。例えば、ダウングレードは契約更新時のみしかできない、解約すると今まで溜めてきたデータを消去するなどの決まりを定めているところが多い。

でも、困難な時期ほどカスタマーロイヤリティを大事にしていきたい。

利用率が低い顧客が簡単にダウングレードできる仕組みを提供したり、解約の申し出があればデータを消去せずに一定期間アカウントを休眠させられる等のオプションを提供し、将来その顧客が戻ってきやすい状態を作ったり、それぞれの企業にとっての〈より本質的なカスタマーサクセスの姿〉を考えてみると良いだろう。

顧客の利用率が通常の数字に回復し、休眠状態から戻ってこられる状態になった時には、元々の単価に戻ってもらえるようなプライシングにすることも重要だ。

柔軟性の低い硬めのルールは、短期的に収益性を高めるかもしれないが、それはカスタマーロイヤリティを犠牲にしてしまう。ロイヤリティを優先した対応は、将来のARRを最大化する可能性がある。

営業

従来よりもさらに業務効率化や自動化のニーズが高まっているが、業界によってはSaaSにかける予算が厳しくなっているところもある。

困難な状況下にある顧客を対象に、導入のハードルを下げられる方法はあるのか。例えば、最初はより手軽なプランでスタートし、業界の回復と共に顧客が成功したところで、SaaSから実際に得られている価値に比例する形でARRを上げるプランを用意できるか。

向かい風が吹いている状態の顧客に対しては、今のARRを最大化するよりも、実績を積み上げてマインドシェアをより大きく得ることに注力し、将来のARRを最大化させることの方が大切だ。

ここで、整合性のあるプライシングがより重要になる。顧客の成功や成長と共にARRが上がるプライシングでなくてはならない。

戦略

顧客の頭の中の「優先順位」が、変わってきている。SaaS企業がこの変化に対応して、厳しい状況が長期化しても売れるプロダクトにすることは、もちろん大事なこと。でも同時に、3年後、5年後にもプロダクトが生き残り、伸び続ける需要を捉えることも重要だ。

今の状況が落ち着いたら、元に戻るものは何か。逆に元に戻らないものは何か。そして、これをきっかけに変わり、社会に新たに定着していくものは何なのか。

顧客の頭の中の優先順位は、今と未来では変わるだろう。さらなる成長のためにも、将来有意なポジショニングが取れるプロダクトとマーケティング戦略を考えよう。

SaaSは、顧客がより進化できるような「インフラ」になるのがミッションだ。そのためにも、顧客と寄り添い、本質的なセールスとカスタマーサクセスが必要だと思う。未来のポテンシャルを最大化させる考えを持つことは、その実現に近づくための強い一歩になると僕は信じている。

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SaaS業界のコロナ「ショック」とコロナ「チャンス」

リモートワークへの切り替え、自粛要請、マクロ経済の低下。コロナウイルスによって様々な変化やが起きている。今回は動画形式で、現状コロナによってSaaS業界にどんな影響が出ているのか、そして逆にどんな機会があるのかについて発信したいと思う。

特にSaaS経営者が今やるべき事とは、そして今後に向けて今のうちから考えておくべき事とは何か。僕の考えを話しているので、是非観て聴いてみてもらえたらと思う。

【ハイライト】

  • 2008年〜2009年、リーマンショック時のSaaSについて
  • コロナショックが今のSaaSにどんな影響を与えているか
  • 今、SaaS経営者がやるべきこと
  • 2020年の見通し
  • 逆にチャンスとなり得ることとは

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リモートワークを実施するチームのマネジメントをマスターする

世界中が大変な時期を迎えている今、すべての業務をリモートワークに切り替えている企業が増えている。みんなでオフィスに集まる環境から、それぞれが自宅で働くという環境に変わり、従来見えていなかった課題も見えてくるだろう。コミュニケーションの取り方、マネジメントの仕方など、その環境の変化に合わせて変えていかなくてはならない。

現状、この「リモートワーク」の取り組みをいつまで続ける必要があるのかは分からない。もしかすると、リモートワークがデフォルトとなる時代が到来するかもしれない。ただどちらにしろ、リモート組織のマネジメント、そして自身のリモートワーク手法をマスターすることは大事になってくる。今回は、僕の実体験と、国内外のリソースをリサーチした結果をもとに、まとめ記事を書いてみようと思う。

今回の記事では、マネージャー向けのアドバイスと、個人向けのTipsの2つのセクションに分けて書いている。

マネージャー編

定例ミーティングを倍にする

普段の1on1実施頻度が月に2回なのであれば、その回数を少なくとも月に4回にする。定例ミーティングの回数が週に1回なのであれば、それを週に2回に増やす。リモートワークになると、オーガニックなコミュニケーションや、情報共有の機会が発生しづらくなるので、〈話をする〉というきっかけを積極的に作り、シンクロさせる時間を増やす必要がある。

1 on 1の質を上げる

リモートワークの導入による急な環境の変化や、経済状況の変化によって、人が不安や不慣れを感じることが多くなり、1on1の重要性はこれまで以上に高まってくるだろう。メンバーが何を思い何を考えているのかを聞き出す姿勢が重要になる。コミュニケーションの改善など、メンバーからのフィードバックを求める姿勢も強化しなくてはならない。

そして、何よりも健康面での確認を忘れずに。家にこもることによる精神的な負担、運動不足による体調面の不調などが発生しやすいので、生活状況のチェックも大切だ。

1on1についてのコツやポイントは、この記事ポッドキャストを参考にしてみてほしい。

毎日15〜30分のチームチェックイン

チーム全体で毎日2回(午前と午後)15〜30分程度のZoomミーティングを実施する。マイクロマネジメントをするためではなく、質問を受け付けたり、業務や会社の方向性に変更がないかの確認、チームメンバー全員の意識を揃える、そしてお互いの顔を見てコミュニケーションの活性化を図ることが目的だ。もしチェックイン中、特定のメンバーとの話し合いが必要な課題が出てきた時には、チェックインの直後に別途話をする時間を作ると良い。

これを毎日同じ時間に実施してルーチン化させることによって、みんなで共に生活のリズムを作り出す効果もある。メンバー同士の連携力を高める目的もあるので、仕事と関係のない話や、お互いのことを知るための工夫もぜひ入れてみて欲しい。

ミーティングの終わり方には、合言葉や、気合い入れの掛け声・ポーズをするのも良い。僕たちBEENEXTでは、こんな風にミーティングの最後に同じポーズと掛け声をした。

単純なことに思えるけれど、人はこういう些細なことでも、団結力を上げてポジティブなムードで、それぞれ仕事に戻る事ができるものだ。

社内の交流を活性化する工夫をする

どんな時でも、チームワークを高めるためにはお互いのことを知ること、そして信頼関係を築くことが重要だ。物理的に〈会う〉という行為ができないリモートワークには、特に工夫が必要になる。以下は、Zapier社とGitlab社が実際に行っている取り組みだ。

  • ブレークアウトセッション:毎週実施される全社ミーティングの直後に、小さいグループに分かれて10〜15分間仕事に関係のないことをラフに話す機会を作る。
  • コーヒーチャットをするDonut というSlackプラグインを使って、チームメンバーをランダムにマッチングさせる。マッチングした人は、リモートでお茶やコーヒーを飲みながら雑談して、休憩時間を過ごすことができる。
  • ハッピーアワーを実施:コアタイムの後に、誰でも参加できる「Zoom飲み会」を実施。
  • お友達システム:新入社員向けに「お友達」を1人アサインする。きちんとオンボーディングできているのか。分からないことはないか。リモートワークの切り替えが問題なくできているのか。こういった不安要素を取り除くための相談役となる友達だ。最初の1〜2ヶ月は、高い頻度で「お友達」とチェックインするリモートワークならではの制度だ。
  • 楽しいSlackチャネルを立ち上げる:仕事と関係のない面白楽しい話題を投稿し合うSlackチャネルを立ち上げる。お互いのペットを見せ合う #fun-dog や、アニメについて語り合う #fun-anime、休憩中の人が集う #fun-resting などのチャネルを作る。

全てをドキュメント化

リモートワーク文化には、組織全体で『ドキュメント化する習慣』をつけることが必須だ。

重要な会社の規約はもちろんのこと、ミーティングやワークフローをマニュアル化して、それらを全てドキュメントに落とす。これにより認識のズレがなくなり、ミーティングに参加していない人にも情報をスムーズに共有することができるようになる。そしてもう一つ、同じ説明を何度も繰り返す必要がなくなるので、効率も向上させられる。

デフォルトオープンにする

情報はできる限りオープンに。そして透明度の高い経営を。

物理的に集まることができない状況下での情報の拡散や確認の徹底は、少なからず難しくなるだろう。しかし、Slackのコミュニケーションや、KPI、チームミーティングの議事録を出来る限りオープンにして高い透明性を保つことで、改善させることはできる。

コラボレーションがしやすいルールを作る:

他のメンバーとの連携の妨げになるような物事は、できる限りなくす。例えば、メンバー全員がお互いのカレンダーを閲覧できるようにしたり、リアルタイムで話しやすくするためにリモートワークでもコアタイムを設けたり、基本的に仕事中はSlackをオンラインにした状態にすることを推奨するなどは、実行してみると良いだろう。

期待と方針はよりクリアに

目標設定やKPIはクリアにしておくこと。そして、相手に期待するコミュニケーションの取り方や仕事の仕方なども共通認識を持っておこう。期待と方針を明確にすることは、リモートワークに限らず、社内を健全な状態に保つための重要な要素だ。また、マネージャーやリーダーは、戦略や方針の理解度を ”スーパークリア” にして、メンバーとはオーバーコミュニケーションをしていって欲しい。

個人編

リモートワークを上手に行うには、もちろんメンバー個人の努力と協力が必要だ。

ルーチンを作る

作業をする場所と生活の場所が一緒になるので、仕事とプレイベートの切り替えルーチンを意識的に行う必要がある。例えば、朝起きたらすぐにパソコンを触り始めるのではなく、会社に行くつもりで洗顔やシャワーをして着替えをし、身嗜みを整えてみると自然とスイッチが切り替わる。他にも、朝コーヒーを入れたり、メディテーションをする時間を設けることを自身のルーチンに入れて、生活のリズムを作る。

仕事を始める前だけでなく、仕事を終える時のルーチンも重要。着替えや運動などを取り入れて、オフモードのスイッチに切り替えていこう。

Zoomは基本ビデオをオンに

人は基本的に社交的な生き物で、人の目や顔を見ながらコミュニケーションをすることに慣れている。オンライン会議の際、ビデオをオンにすることで、より通常と同じ感覚でコミュニケーションを取ることができるし、親近感を感じやすくなる。

時間をブロックする

リモートワークになると、Slackやメールでのコミュニケーションがより活発になる。そして、人に見られてないので躊躇することなくソーシャルメディアを見ることもできる。

でも、よりクリエイティブなアウトプットを出したり、自分の考えをまとめたりする上で、思考が邪魔されないまとまった時間を作ることも非常に重要だ。

スマートフォンやパソコンにくる通知をオフにしたり、メールやソーシャルメディアを見ない時間を毎日作り、その時間は予めブロックしておくことで、自分の時間を管理して欲しい。

作業スペースを作る

可能な限り、作業をするスペースと生活をするスペースは離してみよう。ベッドの上やソファの上で作業をするのは危険。普段リラックスしている場所で作業をしてしまうと、リラックスをしたくなるトリガーになって、仕事とプライベートのオン・オフがしづらくなる。できれば、部屋の隅っこでも良いので仕事専用のデスクやエリアを作ることができれば切り替えがしやすくなるだろう。

絵文字やスタンプをもっと使う

文字だけのコミュニケーションは、どうしても相手に冷たく距離感のある印象を与えてしまう。チーム内のコミュニケーションには絵文字やスタンプを積極的に使い、親近感を感じるコミュニケーションをすると良い \(^o^)/。

運動をする

リモートワークをしていると、どうしても体を動かす機会が減る。家の中でも決まった時間にちょっとした運動をするとリフレッシュをする機会にもなる。今はYouTube上にもたくさんのエクササイズ動画がアップされているので、自分の気に入ったエクササイズを見つけて、ちょっと集中力が落ちたなと思う時には、運動をしてみるのも良い。

オーバーコミュニケーションをする

オーバーコミュニケーションとは、コミュニケーションの回数を上げることではなく、目的意識を持って、明確に情報を伝えるために取るべきコミュニケーションのことを指す。会社で顔を合わせてのコミュニケーションができない分、確認、報告のオーバーコミュニケーションはとても大切だ。連携しているメンバー同志の状況を正確に把握し、共有すべき情報をクリアに伝えられるようにすること。これによって、メンバー全員が、目的に向かって正しい判断をして動くことができるようになる。

以上が、リモートチームのマネジメントとリモートワークを上手くやるポイントだ。上手くやれば今まで以上に連携力が高まり、普段よりパフォーマンスを向上させることだって出来る。

リモートに切り替えてから、生産性が4%~13% 上がったと言う調査結果も出ている。これを機にリモートワークの〈マスター〉になって、この困難を自分自身と組織を強化する機会に変えていこう。

参考ソース:Zapier’s guide to working remotelyGitLab’s Guide to All-Remote

(編集してくれたkobajenneに感謝

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SaaSの起業チャンスは、先行プレイヤーのサービスに不満な顧客

いま成功していると言われるSaaS企業が、その事業を立ち上げた時。そこには、既に先行している既存B2Bプレイヤーが存在していたケースが多い。

そのなかで彼らが成功を掴むことができた大きな要因として『先行しているプレイヤーが完璧に満たすことができていなかった顧客の要望』を満たすことだけに注力し、それを拡大させたということが挙げられるだろう。

例えば、このような例がある。

  • Siebel SystemsはCRMを提供していた。しかし、彼らのサービスは、オンプレミスだったため、導入までに時間のかかるカスタマイズと継続的なメンテナンスが必要だった。そこで1999年、革新的なCRMサービスを登場させたのがセールスフォースだ。彼らは、クラウドを通してオンデマンドでスピーディーに導入とアップデートができるサービスを提供し、これまで顧客が抱えていた(従来のサービスでは満たせていなかった)顧客ニーズを満たした。
  • カスタマーサポートチーム向けのSaaSを提供するZendeskは様々な業界で使われていたが、In-App Message (アプリ内メッセージ)の強化を希望する顧客や、チャットを使ったリードクオリフィケーションのニーズを完全に満たせていなかった。そこで、誕生したのが、Intercomだ。
  • Workdayは、大企業向けに人事や財務を含めた経営管理を効率化させるSaaSを提供していたが、その仕様は中小企業にとっては使いにくく、ニーズを満たせているものではなかった。そこで中小企業を主なターゲットとしたRipplingやGustoなどが誕生した。
  • CISCOのWebexは、ビデオカンファレンスの市場を独走していたが、操作性や使用環境の制限など、すべての顧客の満足度を満たすことはできていなかった。そしてそこには、より簡単にインストールができて、どのOSを使っているかを気にすることなく、ビジネス利用できるクラウドサービスを求めている顧客が存在していた。そこで登場したのが、Zoomだ。
  • Jiraをはじめ、先行しているプロジェクト管理ツールが多く存在するなか、施工現場を意識したUX、建設・建築業界が取り扱うデータの管理に向いてるソリューションが無かった。AndPadは、このニーズを取り込み生まれたソリューション。
  • セールスフォースなど先行しているCRMツールが山ほどある中でも、保険業界に完璧に寄り添ったプレイヤーがいなかった。しかし、保険という特殊な分野には、特有のニーズが存在しており、今までのCRMツールではそのニーズを満たすことができなかった。そこで登場したのがhokanだ。

他にもこうした例はたくさんある。では、このように先行しているB2Bのプレイヤーがいる中で、こうしたチャンスが生まれる理由は何なのか?

技術のシフト

オンプレミスからクラウドへ。メールからチャットへ。データベースからAIへ。デスクトップからモバイルへ。

技術的パラダイムシフトが発生するとき、従来の技術とは異なる全く新しい体験やサービスの提供ができるようになる。今まで解決できなかった課題が解決できるようになったり、今までリーチできなかったセグメントへのリーチができるようになる。これらが新たなSaaS企業を誕生させるチャンスになるのだ。

また、SaaSの普及や技術の進歩によって、新たな需要を生み出すこともある。

世の中に存在するSaaSプロダクトやサービスを利用することで、潜在していた需要が表に現れたり、新しいニーズが生まれるためだ。また、普段プライベートで使い慣れてるサービスの体験をB2Bのシーンでも活用したいという需要も出てくる。

規模のジレンマ

直近で発表されたSalesforceの年間売上が1.7兆円。来年は、2.3兆円を目指しているという。そして、現在の売上が900億円のZendeskは、来年1100億円の売り上げを目指しているという。

このように、企業規模が大きくなるにつれて、100億、1000億円単位の売り上げを生み出すことが可能なセグメントを最優先ターゲットにしていく必要が出てくる。一方SaaSスタートアップがまず最初に目指すセグメントは、売り上げ単位が10億円程の市場で、大手先行プレイヤーにとってはニッチ過ぎるセグメントとなり、高い優先度がつく対象とならないことが多い。

プロダクトの複雑性と技術的負債

SaaS企業が、大手企業、または特定の業界に向けたサービスやプロダクトを展開した場合、そのままの状態で規模の異なる企業や他の業界にまで参入することは難しい。UIやプロダクトの複雑性や技術的負債を抱えることにもなる。よって、〈既存SaaSプレイヤーが満たせてない顧客ニーズ〉が存在するセグメントが必ず残る。

SaaS市場は、拡大の一途を辿っている。そして成長スピードも加速している。SaaSが普及すればするほど、SaaSを取り入れたい顧客が現れ、同時に、既存のSaaSプレイヤーが満たせられていない顧客ニーズが見えてくる。

SaaSの起業チャンスは、今後もさらに増える。今こそ、SaaSで起業する絶好のタイミングだと言えるだろう。

(編集してくれたkobajenneに感謝)

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不況こそがチャンス。SaaSスタートアップのブラックスワン対策。

シリコンバレーの著名VCセコイアキャピタルが先日、投資先の起業家に宛てて書かれたレター「2020年のブラックスワンに対しての警告とガイダンス」を公開した。まだ読んでいない人は、是非読んでみてほしい。

今直面しているこの状況がどのくらい長く続くのか。どれほどの社会的、そして経済的インパクトを与えるのかは分からない。でも、現段階は希望的観測をする時期でもなく、業績不調を環境のせいにする時期でもない。

起業家や経営者は、この状況下だからこそ『不況に強い会社とは何なのか、どうしたら不況に強い会社になれるのか』をもう一度考え、実行に移していくタイミングなのではないかと僕は思う。

苦しい時こそ成長するチャンスだ。セコイアのレターに記載されていたダーウィンの言葉の通り「強い者、賢い者が生き残るのではない。変化に対応できる者が生き残る。」のだ。

今回のブラックスワンは、国内に止まらず世界中にあらゆる変化を起こしている。

前置きは長くなったけれど、今回はSaaS経営者がその変化にどう対抗するべきなのか。そして、不況時に改めて考えるべきポイントについて書くことにした。

リード獲得戦略を考え直す

この状況のなか、どのリード獲得戦略が引き続き好調で、どの戦略の効果が下がってしまっているのか。やはり展示会などのオフラインイベントの効果は下がってしまうだろう。ならば、より強化すべき既存の戦略はあるのか。それとも、今まで実行していなかった戦略(アウトバウンドやWebinar等)で、新たに試すべきものはあるのかなどを考えてみると良い。

ナーチャリングを強化

今、リードの存在がより重要になってくる。セグメント別、スコア別、時期別などでカテゴライズして、さらに戦略的にリードを温めていく取り組みが必要になる。

商談フェーズの考え方を変える

普段、有効リードに対してはすぐに対面営業を行っているという企業も、今はオンライン商談に切り替えてるところが多いだろう。商談後、どのフェーズまでオンラインのみで進めることができるのか。場合によっては、注文書が入るまでの全てのフェーズを完全にオンラインへ切り替える必要が出てくるかもしれない。その場合「商談フェーズ」そのものの定義、そして進め方も変わってくる可能性がある。

カスタマーサクセスの強化

顧客サイドの予算状況が変わるかもしれない。その結果顧客は、きちんと使いこなせていて業務の効率化に役立っていることを実感できる、所謂〈依存度の高い〉SaaSのみの契約を更新し、そうでないサービスやプロダクトは解約する動きが出てくる可能性がある。顧客に対して、きちんとバリューを発揮できているかどうかの重要度がより一層高まることになる。

セールスピッチのアップデート

「リモートワーク」「自動化」「コストカット」。今は特にこれらのキーワードが顧客のマインドのトップに浮上しているだろう。顧客が今一番考えていることに合わせて、セールスで強調するべきポイントや説明の流れをアップデートする必要があるかもしれない。

チームワークを強化

より一層チームの団結力を上げるタイミングだ。限られたリソースの中でアウトプットを高めることが非常に重要になる。部署間の壁をなくして、コラボレーション頻度とその質を高め、全員が一丸で会社の目標を達成するのだ。

コスト意識を高める

セコイアのレターにも書いてあるように、9ヶ月、長くて12ヶ月はこの状況が続くかもしれない。経済が回復するまでには、さらに長い時間を要するかもしれない。残高、キャッシュフロー、ランウェイ、そして計画対比などの意識をより高めていく必要がある。

僕は決して恐怖やパニックを煽ろうとしているわけではないし、この先を予想しようとしているわけでもない。不確実性の時期に入ったときは、最悪の場合に備えた準備を行うこと、そして変化に素早く適応できる姿勢でいることが重要なのだと思う。

チームの団結力を上げて、強い会社を作り、これはみんなで共に成長するチャンスなのだと捉えて欲しい。

(編集してくれたkobajenneに感謝)

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