理想的なシリーズAのSaaSスタートアップ

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Photo by: simone

「理想的なシリーズAのSaaSスタートアップの状態とは?」

起業家からよく聞かれる質問のひとつ。

多くの場合、シリーズAの資金調達を実行するSaaSスタートアップは、およそ3〜5億円を調達しようとする。今回のポストでは、僕がシリーズAのSaaSスタートアップへの出資を検討する際に確認しているポイントについて書いていきたいと思う。

ただし、これはあくまでも「理想的な状況」であって、実際この中のいくつかの要素が足りていなかったとしても、シリーズAの調達ができないというわけではない。でも、満たしてるポイントが多ければ多いほど調達できる確率は確実に上がる。

Retention
僕のブログやツイッターでも〈継続率の重要性〉について常に発信しているが、チャーンが高ければ高いほどARR100億円を達成するハードルは上がる。
だから、有料顧客がサービスに高い満足度を示しているのか、長期にわたって使い続けたいと思われているのかを確認している。年間契約が多いSaaSスタートアップの場合、契約更新率は90%以上が理想。月額契約が多い場合は、1%未満のカスタマーとグロスチャーンが理想だ。

Growth
成長率に勢いがあることが全てではないが、成長率は様々な視点から事業の状況を語ってくれる。
そのサービスに高い需要があるのか。顧客にとって必要不可欠なサービスになるため、強力なセールスやマーケティング、カスタマーサクセスの構築ができているのかもこの数字が示す。MRR1000万円を突破したタイミングで月次成長率10%以上を維持できてるのであれば上出来だ。

Management Team
シード段階と比べて、チームがどの程度アップグレードできているのか。
セールスやカスタマーサクセス、プロダクトチームそれぞれの先頭に立ちチームを引っ張っていける人材がいるのか。各チームのレベルはどのくらい向上しているのか。そして、今まで社長が行ってきた業務をどれだけ権限委任することが出来ているのか。最も良いのは、営業のクロージングを社長以外の人ができ始めていて、さらにカスタマーサクセスとプロダクトチームの権限委任が完了している状態だ。

TAM / SAM / SOM
狙っている市場で、ARR100億円以上の企業を作ることができるのか。
この答えは、ボトムアップで(対象顧客数 x ARPA)で算出した方が分かりやすい。可能であればSOM (今のプロダクトで狙える顧客セグメントの市場規模)、SAM(2〜3年の期間で狙いたい顧客セグメントの市場規模)、そしてTAM (最終的に獲得したい最大の市場規模)に分けられていると良い。SOMが100億円以上、SAMが500億円以上、そしてTAMが1000億円以上が理想と言える。

Competitive Dynamics
狙っている市場をどこまで独占できるのか。
他社より自社のプロダクトが優れていること。高い競合勝率(90%以上が理想)。そしてさらに、サービスの導入理由を顧客ヒアリングなどを通じて確認できると良い。

以上が、シリーズAのSaaS企業に対して投資を検討する際に重要視しているポイントだ。冒頭で伝えたとおり、これらはあくまでも〈理想な状態〉だ。実際、これらを満たせていない企業に投資を実行したこともある。でも、最高のシリーズAを達成するために、常に理想的な状態を意識しながら挑んで欲しいと思う。

(edited by kobajenne

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