経営のPower Law

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ベンチャーキャピタルの世界には、冪乗則(Power Law)と言う概念がある。

これは、ベンチャーキャピタルファンドの価値を測ると、ポートフォリオの中で最も企業価値の高い会社数社が、ファンド価値の半分以上を占めているという原理。

例えばYcombinatorは、400社のポートフォリオに出資しているが、そのなかでDropboxとAirbnbの2社がポートフォリオ全体の6割以上の価値を占めている。もし残りの398社の価値をすべて合わせても、DropboxとAirbnbの2社の価値の合計には届かない(Source)。また、北米でベンチャーキャピタルからの出資を受け、2012年に上場した会社を軸に見てみても、その年のベンチャーキャピタル全体のリターンのうち77%がFacebookからきているものだった。

僕がOnlabをやっていた時代も、現在のBEENOSのポートフォリオも、すべてこの「Power Law」が成り立っている。

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経営のPower Law

Yammerを創業したDavid Sacksが、Power Lawはベンチャーキャピタルだけではなく、日々のオペレティングの中でも適用できるとつぶやいている。これに僕も、同感だ。

過去に決断してきた様々なことの100倍の価値を、たった1度の決断で生み出せることがある。Power index (べき指数)の価値を生み出すための決断が出来るようになるには、とにかく決断の数を増やすことしかない。

ロジックや思考だけで決断のインパクトの大きさを予測するのは難しい。大きなインパクトがあると分かっていても、人は、べき指数を過小評価してしまうことが多い。だから、決断して実行してからじゃないと本当のインパクトは分からない。

Startup = Growth

Ycombinatorを創業したPaul Grahamは、スタートアップは成長し続けないといけないと述べた。成長が止まったと感じたときこそ、決断を迫られているときと考えるべきだ。べき指数的な決断はチームや会社のみんなが満場一致で合意しないケースが多い。50:50で分かれて長い議論を必要とされることが多い。ただ、留意すべきなのは議論の結果「何もしない」「このまま維持する」という選択も立派な「決断」であることを忘れないでほしい。

考えて、決断して、実行する。

とにかくこれを繰り返す事が大事。「決断する」ことは怖い。「決断しない」方がよっぽど楽だ。

でも、起業家は成長し続けるために、「決断」をし続けないといけないのだ。


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