起業家を理解する事

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シードアクセラレーターを3年半前に立ち上げて、35のスタートアップを支援してきた中での一番の気付きは、シードステージの投資家やシードアクセラレーターの運営者は起業家をきちんと理解する能力がものすごく重要だと言うこと。これ無しでは起業家にポジティブなインパクトを与える事はできない。

アイディア

起業家と初めて出会う際に先ず最初に理解しないといけないのが、起業家とその起業家が進めようとしているアイディアが適合しているか。以前にも書いた事があるのだが、起業家の経歴、働き方、性格、長所と短所を理解して、アイディアを成功に導くために必要な要素が揃っているかを分析する必要がある。経験上ほとんどの場合、起業家が最初に考えるアイディアは、その起業家に適合してない事が多い。僕が関わってきたスタートアップの中で成功しているのは、大半が元とは別のアイディアになっている。

実際僕も、過去に何度か起業家とその起業家のアイディアが適合していない事に気づかず、その起業家が思い付いたアイディアに惚れすぎてしまった事や、自分が考えたアイディアに惚れてしまってそれを起業家に押し付けてしまった事がある。結果、両方とも上手くいかなかった。

アイディアに惚れすぎてはならない、アイディアを押し付けてはいけない。起業家を理解することが最優先。理解していない状態で、アイディアを進めないこと。

アドバイス

アドバイスを提供したい人は沢山いるのだが、日本で最も足りてないと思うのが、「聞き上手」な投資家。今対話している起業家は現在どんな状況下にいて、何が一番の悩みなのかを理解せずにアドバイスをしてしまうと、起業家が混乱してしまう事が多い。まず大事なのは状況を把握すること。そして、その起業家はどういう考えをもって「今」にたどり着いたのかを理解する事。アドバイスをしないという判断が正しい事も多々ある。「今」大事じゃない事について、アドバイスをしても起業家は混乱するだけだ。

成功確率

実は、僕は投資家が起業家の成功する確率を伸ばすことができるとは思っていない。僕が関わってきたスタートアップで成功している企業は、僕がいてもいなくても成功することはできたと思っている。それと同じように失敗しているスタートアップも、僕がいてもいなくても失敗しているのだと思う。ただ、唯一貢献できているのだろうと信じているのは、成功や失敗にたどり着くまでのスピードと成功と失敗の大小。今までの経験を活かしながら、より早い段階で成功もしくは失敗に起業家を導く。これによって成功の規模を最大限に引き出し、また、失敗を最小限にとどめる。これがシードステージの投資家やシードアクセラレーターの運営者に特に必要とされていることだ。

感情

起業家は日々、感情のジェットコースターに乗っているようなものだ。不安、恐怖、混乱の状態に入る日もあれば、自信に溢れて無敵になった気分にさえなる日もある。でも、どんな状態でもハードワークを続けて、決断スピードを落としてはならないし、社員に対してリーダーシップをとっていかないといけない。だからこそ、起業家がどのような感情状態にあるのかを理解して、コミュニケーションの仕方を変えていく必要がある。

僕自身も、まだまだ起業家や人を理解する力を磨く必要があると思う。これをマスターしてこそ、起業家をサポートする人間として一流と言えるのだろう。


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