スティーブ・ジョブズのチーム作りとマネジメント

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前回に続いて、Steve JobsがMIT Sloanで行った講演の紹介。今回は、Steve Jobsの採用ポリシー、彼がAppleで学んだこと、そしてチームとしての決断について話している部分をシェアしていきたいと思う。

チームは妥協してはいけない。

私たちが実行した大切なことの1つ、それは彼、Mike Sladeを雇ったことです。彼は、Microsoftに7〜8年在籍したあと、VP of Marketingとして私たちの会社にジョインしました。初めて彼に会った時は、彼はExcelのプロダクトマネージャーで、その後Microsoftの大規模なマーケティングプロジェクトを走らせていました。

現在Mikeは、NeXTのマーケティング業務の全てを担当しています。彼がNeXTに入ったのは、私たちがやっと大企業から業務に必要なカスタムアプリの話をヒアリングできるようになったタイミングだったので、私たちは密に連携をとって共に会社のマーケティング戦略を立て直しました。この時、Mikeは本当に素晴らしい仕事をしてくれました。

そしてつい最近、COOとしてPeter van Cuylenburgという人物を迎え入れました。もともとPeterは、私がセールスとマーケティングのエグゼクティブVP候補を探していたときに最初に出会った人物でした。でも、オファーを出した結果断られてしまい、それ以降私たちはこのポジションの採用を止めたのです。そして、それから1年半の間彼を追い続けました。彼はそれほど優秀な人材だったんです。

彼は、TI(テキサス・インスツルメンツ)のヨーロッパ支社の運営に長く携わり、そして3年前にUK版のMCIであるイングランドのMercury Communicationsという会社に参画しました。そこでこの企業の売上を20億ドル企業にまで成長させました。これは、Mercury社の親会社であるCable & Wirelessの半分(Cable & Wirelessの当時の売上は約60億ドル)に値するのです。

彼は、コミュニケーションとコンピューティングが一つの共同体となると考えてこの会社に入ったのですが、実現することはありませんでした。それが分かったと同時に、彼の本当の愛は、コンピュータービジネスにあることに気づいたんです。

そして彼は、私たちの仲間になりました。つい先週のことです。どうやら私が本当に雇いたいと思う人物は、参画してくれるまでに1年はかかるようなのです。Mikeの時は1年半をかけましたし、Appleの時も同じでした。でも全てその価値があったんです。とても優秀な人に出会い、でも、その人を仲間にすることができなかった時、他の人を探そうとする人もいるでしょう。そしてそこで出会った人と最初に出会った人を比べて、2番目と分かっていながらも、妥協してその2番目の人で落ち着こうとするかもしれません。でも私は妥協せず、自分が1番だと思った人にアプローチし続けるんです。

Appleでの経験で学んだこと

私がAppleにいた時に学んだこと、というよりはAppleにいたときのデータから学んだことがあります。それは、私はいま、人に対して長期的な視点をもつようになったということです。もし相手が、正しくない間違ったことをしたとき、私が最初に行うことはその問題を正そうとすることではありません。大切なのは、今私たちはチームを作ろうとしていること。そして、1年後のためではなく、10年先のために最高のものを作るためにここにいるのだということです。だからこそ、どうやって私が問題を解決するかではなく、その間違ってしまった人に学んでもらうために自分が何をすべきかを考えるのです。時にそれは苦痛なことです。私もまだ、手っ取り早く問題を解決したいと思うことがあります。でも、長期的な視点を持つということは、恐らく私が1番変わった点なのだと思います。

チームとしての決断

もし私たちが同じ経営陣に所属し何かを決断しなければならないとき、相手が賛成していない決断を無理やり通そうとすることが正しいとは思いません。なぜなら、あなたは彼らが正しいと思ったことをしてもらうために給料を払っているのに、これでは彼らが本当は正しくないと思っていることをむりやりさせることになり、遅かれ早かれ衝突することになってしまうからです。私が考える1番良い方法は、その決断したことを実行するために関わる全員の同意が取れるまで話し合うということです。これがNeXTで実際に行っているやり方です。NeXTの組織のトップには「ポリシーチーム」というチームがあります。そこには私とMikeを含む8人のメンバーがいます。このチームでやろうとしていることは2つ。1つは、本当に大切な決断と私たちが決断しなくても良いことを区別することです。本当に必要な決断に関しては、私たち全員が同意するまで話し合うを続けます。なぜなら、私たちが給料を払っている理由は、人に何かをさせるためではなく、何をすべきかを教えてもらうためだからです。何かをしてもらうためだけの人を探すのは簡単なことです。でも、何をすべきかを教えてくれる人を見つけるのは難しいことですよね。

これこそが私たちが求めていることです。私たちは人に多額の給料を支払い、そして彼らに何をすべきかを教えてもらうのです。これを前提に考えたとき、本当は全員が納得していないと分かっていながら、その状態から逃げるべきではないのです。ここでの成功の否決は、実は1つのチームが本当に決断しなくてはいけないことは、そんなに多くはないということを知ることです。私たちも1年のうちに本当に決断しなくてはいけないことは25個くらいです。そんなに多くはないのです。うまくいくこともあれば、試行錯誤していることもありますが、これが私たちが実践している方法です。

私は、「私がCEOなんだ!このやり方に全員従え!」と発言したことはありません。そして「同意できないのなら、チームから外れろ。」と言ったこともありません。いや、私の長いキャリアの中で1度や2度はそんなことがあったかもしれません。でもそれはせざるを得なかった時です。 もしチームがこっちの道に進みたいと良い、でも一人違う方向に進みたいと言った場合、それはもう上手くいかないと伝えることも仕事の一つですから。でも全員がチームとして動いているときは、共に課題を解決していくのです。

(編集と翻訳をしてくれたkobajenneに感謝)

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