起業家に薦めたい。SaaSの使いこなしで1日あと2時間確保する方法

SaaSに特化した投資を実行する身としては、僕自身も様々なSaaSプロダクトを使いこなして、自分の生産性を最大化することを積極的にやっていきたいと思っている。今回は、自分がどういうSaaSプロダクトを、どういう風に使っているのかについて書いてみる。感覚としては、これから書く以下を実行したことで、1日のうち新たに確保できた時間は、1〜2時間ほど。これは大きい。

Hubspotで日程調整

HubspotとGoogleカレンダーと連携させることによって、日程調整がとても楽になる。日程調整をしたい相手には、Hubspotのミーティングリンクを送るだけで自分が空いている時間を共有できて、そしてカレンダー登録も自動化できる。

ミーティングの合間の調整タイムを入れたり、スロットあたりの長さも調整が可能など自由度が高い。僕が薦めたい活用方法は、Hubspotミーティングのリンクを2バージョン作ること。一つは緊急度が低いミーティング用、そしてもう一つは緊急度の高いミーティング用だ。

後者のカレンダー上では1日2時間ほどの時間を確保する。そうすることで、もう一つのカレンダー上では、その時間帯は空き時間ではなくなり、緊急案件が発生しても確実に時間を確保することができる。Hubspotは、Zoomとも連携ができる。予定が登録された瞬間に、そのミーティング専用のZoomリンクを自動生成する機能があるので、僕はデフォルトでZoomリンクを自動生成するように設定している。

Hubspotで人間関係を管理

基本的にヒトの情報は全てHubspotで管理している。特に便利だと思う機能はタスクの機能。誰かと打ち合わせした後に、Hubspotにそのとき話した内容を記録し、次にその人と会うタイミングをその場で決めてHubspotのタスクに入れている。タスクの期限が来た時には、メールでリマインダーが送られるように設定している。これによって、フォローアップやキャッチアップの漏れが大幅に削減されるし、しばらく話をしていなかった人の情報にもきちんとアクセスできるのは嬉しい。

Superhumanでメールのスーパーサイヤ人に

メールクライアントは、Superhuman。主に使っている機能は、リマインダー機能。返信をもらいたいメールを送信した時に、予め設定した時間までに返事が来なかったら通知が来るようにする。これで、メールのフォローアップ漏れも無くなるし、いちいちフォローアップが必要なメールをTo Doリストに入れる必要もなくなる。

リマインダー機能の活用方法は、もう一つある。僕のメールの基本ルールは、2〜3分で返信ができるものはその場で返信して、検討したり調査したりする時間が必要など、返信に時間がかかると判断したメールは、リマインダー機能を使って、一旦夕方までInboxから消えるようにしている。こうすることによって、Inbox自体がスッキリするので、情報に左右されることなく1日のスケジュールを着実にこなすことができる。夕方になったらその隠したメールたちがInboxに表示されるようになるので、それらをまとめて対応できる。

Superhumanのテンプレート機能もとても便利で、良く繰り返して使う文章(例えばオフィスへまでのアクセス案内を説明する時など)は、ショートカットでメールに挿入できるようにしている。

1Passwordでパスワード管理

1日を通して、少なくとも10回は色々なサービスにログインする。そんな時に必ず必要になるのが「パスワード」なわけだが、セキュリティーのために各サービスのパスワードは、ユニークで複雑な異なるパスワードである必要がある。このパスワードを覚えたり入力したりするのは、とにかく時間が取られるし、ましてや記憶しておくことなど不可能だ。1passwordは、そういう悩みをすべて解決してくれるので、パスワード管理においては必須ツールだ。

Notionで人生を管理

To Doリストや人生計画、読みたいものリスト、運動スケジュール、書きたいブログテーマ等とにかく僕のほぼすべてをNotionで管理している。たくさんの情報を整理、管理するにはもってこいのツールで、さらにアイコンやクリップなども使えるので見た目も楽しい。

To Do管理で僕が薦めたい方法は、

・じっくり考えて進めないといけないタスク
・あまり考えなくてもできるタスク

の2つに分けること。じっくり時間をかけて熟考しながら進めなくてはいけないタスクは、1日2個までに限定して、毎日1〜2時間そのタスクに集中する時間を確保する。とにかくひたすら手を動かすような、あまり考えなくても進められるタスクは、打ち合わせの合間や夕方の時間帯など、頭の回転が少し鈍ってきているなと感じる時にバッチ処理で進める。

おやすみモードの活用

色々なサービスがたくさん出てくると、人は知らず知らずのうちに、常に通知や連絡に追われる日々を過ごす。僕は日中1日2時間くらいiPhoneの〈おやすみモード〉をONにする(Mac OSでも同時に通知OFFにしている)。その間、前述した時間をかけて熟考する必要があるタスクに集中する。これをやり出してから、実際自分はどれぐらい通知に追われているのか気が付くきっかけになった。

Zapierで領収書管理

Zapierは使い始めたばかりで一番上手な使いこなし方を検証しているフェーズだが、最近は、請求書管理に使っている。メールで届いた請求書や領収書にラベルをつけると、Zapierがそのラベルに応じてGoogle Drive上の該当フォルダーにPDFファイルで自動保存してくれる。これでメールを検索して請求書などをPDFに変換してフォルダに整理するという作業が自動化され、請求書関連で要していたストレスフルな時間を大幅削減できるようになった。

以上が、僕が今メインで活用しているSaaSの使い方だ。使いこなせばこなすほど大幅な生産性アップに繋がる。みんなが他にどういうツールをどのように使っているのかも知りたいので、もしお奨めがあればツイッターで@DJTOKYOにメンションで教えてくれると嬉しい。

(編集してくれたkobajenneに感謝)

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ARR目標を達成するためにSaaSスタートアップ経営者ができること

Photo by: Philo Nordlund

明けましておめでとうございます。今年もブログやポッドキャストでの情報をより頻度をあげて発信していきたいと思っているので、2020年もどうぞよろしくお願いします。

さて、起業家のみんなは、2020年の初営業日を迎えて、今年のARR目標の設定も完了し、多くが目標に向けて行動に移し始めている頃だろう。今回のブログは、今年の目標の達成確度を高めるために経営者やマネージャーができること、について。

パイプライン、パイプライン、パイプライン:各経営メンバー、マネージャー、そしてリーダーたちとパイプラインのレビューを行い、ディスカッションする。

例えば、以下の通り今年の目標を設定したとしよう。

• 新規顧客からのARRを2億円に
• リードからの成約率が25%を維持
• クロージング期間を平均して半年

この場合、逆算すると今年6月までに8億円分のリードを獲得する必要がある。マーケティング、セールス、カスタマーサクセス、プロダクトなど各セグメントのリーダーのパイプラインと数値目標への強いコミットが必要だ。もし、ARR8億円分のリードを生み出すコミットができないのならば、リードあたりの収益(ARR / リード)を上げて調整する必要がある。

パイプラインの状況や商談フェーズについて、各メンバーと毎週ディスカッションする機会を作れば、組織全体の数値管理能力と推進力が上がるだろう。

もっとコーチングを:リーダーの役割は、部下やメンバーが目標を達成できるようなガイダンス、スキル、ノウハウやリソース等を提供すること。部下との1 on 1の頻度を増やし(週に一度が理想)、目標達成にどのぐらい自信を持っているのかを確認。自信が足りていないようであれば、必要なサポートをしていく。

ゴールをクリアにし、必達の意識を高める:会社の目標、各チームの目標、そして個人目標はもう設定されていたとしても、設定だけで終わらすのではなく、《共有と確認》を毎週徹底すべき。負け越す状況には決して慣れさせず、各自ゴールにコミットし、常に勝ちに行く姿勢、必達の意識を高める。

カスタマーサクセスにダブルダウン:売上チャーンが下がれば、新規獲得しなくてはいけない売上が減る。アップセルやエキスパンションによって売上継続率を100%以上にできたなら、なおさら良い。売上規模が大きいほど、チャーンやアップセルによるインパクトも大きくなるので、カスタマーサクセスをさらに強化しレベルアップを図るべし。

採用計画を達成させる:SaaSは、採用計画が未達だと売上計画の達成も難しくなる。採用を社長の目標に入れてコミットさせる。もし毎月1名の採用を目指すなら、採用担当者がいることが必須になるだろう。会社に十分なキャッシュがあるのなら、2ヶ月に一名を採用する計画であったとしても、担当者を入れても良いと思う。

セグメントと分析:既存顧客をセグメント化してパターンを探す。リードあたりの売上が、レストラン業界で特に高いかもしれない。従業員人数300人以上の顧客のチャーンが圧倒的に低いかもしれない。プレミアムプランの顧客の方がNPSが高いかもしれない。他より上手く機能しているセグメントを探して、そこにリソースと予算をもっと寄せていく。

Sales Opsへの投資:ダッシュボードの管理、セールスプロセスの改善、情報やノウハウの体系化、部署間の連携力アップなど図るSales Opsの専任がいると営業効率が上がる。特にARR 1億円超えているスタートアップにとっては、メンバー各自が目標達成をするための重要な役割になる(Sales Ops とは?)。

以上が1年間のARR目標の達成確度を上げるポイントだ。目標を達成して、今年もさらに良い年を築いていこう。

(編集してくれたkobajenneに感謝)

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