エグゼキューションの質

Pocket

Photo by: Michelin Motorsport WEC_24 Heures du Mans

スタートアップに投資をした後、僕たちVCは様々な指標や情報をもとに、会社の状態や事業の進捗状況を把握しようとする。その中でも僕が、定性的ではあるけれど、そのスタートアップの成功を予測するために一番重要だと思っている要素は『エグゼキューションの質』だ。経営チームによるエグゼキューションの質が高ければ、どんな問題にぶつかっても解決方法を見つけることができ、スタートアップのポテンシャルを最大化できる。

エグゼキューションの質が高くなければ、一流の会社にはなれないと僕は信じている。

では、「エグゼキューションの質が高いと思う経営」とは、どういったところを見て感じるものなのか。

  • 課題に対するアクションのスピード:エグゼキューションの質が高いチームは、潜在、顕在に関わらず、抱える課題に対してスピーディーに対応できている。3ヶ月以内には課題を解決させていることが多い。
  • 目標の達成率:設定した目標や計画の達成率が高く、目標値を上回ることが多い。例え未達の月があっても、2ヶ月以上未達が続くことはあまり無い。
  • 優先順位とフォーカス:会社にとって一番重要なことにフォーカスできていて、意識が散らばっていない。
  • 一貫性:優先順位や目標が、社長や経営層はもちろんのこと、会社全体で一貫して正しく理解され認識されている。また、方針やビジョンにブレや矛盾がない。
  • クリアな考え:考えが整理されていて、次に取るべきアクションが明確になっている。
  • 高いスタンダード:経営チームが、自分達、そして会社全体に対して高いスタンダードを求めていて、そのスタンダードの高さを抜かりなく徹底的に維持している。

これらが、僕がエグゼキューションの質が高いと感じる経営チームだ。では、エグゼキューションのレベルを上げるためにどうすれば良いのか?

  • 良いプランニングと計測:どんなことでも、計らなければ客観的に状態を分析することはできない。大事だと思う指標を計測し、プランニングの解像度を上げ続けていく。そのためにも、プランニングのための時間を確保することが大事。
  • 良い人の採用:エグゼキューションのレベルを上げるために良い人材を確保し、委任と権限譲渡を積極的に遂行する。これは、考える時間を確保するためにも重要なこと。
  • 違和感を無くす:何か違和感を感じたならば、事態が悪化する前にその理由を突き止めてその原因を潰す。時間の経過と共に解決するだろうなどという考えは持たないこと。逃げずにすぐに課題に立ち向かうべき。
  • 透明性と責任:不都合な情報を隠さず、透明性高く経営をしてる。それぞれの役割や責任をハッキリさせて、言い訳できるシチュエーションを無くす。
  • グッドで満足せず、常にグレートを目指す:現状に満足せず、さらに高いレベル、最高な状態を目指し続ける。フィードバックを求めて、インスピレーションを探す姿勢を忘れないこと。

自分達のエグゼキューションの質は高いと言えるのか。
もしその答えが「No」なのであれば、これからレベルを上げにいけば良い。質が上がれば、自分自身と会社に対する愛と誇りも強まって、より高いところを目指し続ける原動力になると僕は思う。

(edited by kobajenne

====================
SaaS起業家向けの「Startup Office Hours」開催中!
SaaS事業の起業を考えている、または既に起業されている方を対象に、メンタリングセッションを実施しています。

こんな悩みや疑問を持っている人におすすめです。
資金調達済みの起業家も大歓迎!

アイディアの検証方法が知りたい
事業戦略の “壁打ち” をしたい
正しいKPIの設定方法が知りたい
データを活用してKPIを改善したい
資金調達で気をつけるべきポイント、戦略が知りたい
チームマネジメントを改善したい

ご応募はこちら!
====================


前田ヒロのメールマガジンに登録しよう!

最新の記事やポッドキャストをいち早くお知らせします!


Pocket