ハードウェアスタートアップのHard Things。WHILL社 杉江 理社長にインタビュー。

累計30億円以上を調達し、シリコンバレーを拠点にパーソナルモビリティーを開発するWHILLの杉江社長と話しました。ハードウェアのコンセプトを考え、製造するまでのプロセス、シリコンバレーに進出してからの様々な経験、そして”超実践的”な英語勉強方法などについて触れました。

【ハイライト】

  • WHILLの立ち上げ
  • アイディアの検証方法
  • 何を材料にVCを説得したのか
  • 英語の勉強方法
  • 日本人とアメリカ人のマネージメントの違い

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SaaSの価格設定でよくある「間違い」

サンフランシコで開催された『SaaStr Annual 2018』で、Open ViewのBlake Bartlett氏とKyle Poyar氏が行ったプレゼンテーションの内容をまとめました。
※ 一部補足や説明も追加しています。(スライドはこちら

SaaSの価格設定は、誰しもがぶつかる悩みであり、最初から上手にできるスタートアップなどほぼいない。しかし、SaaSの価格設定が上手くできているかどうかは会社の成長スピードに関わる重要なポイントであり、決して無視することはできない。実際512社のSaaS企業を調査した結果、〈顧客獲得の最適化〉をするのと〈価格設定の最適化〉をするのでは、企業の成長インパクトに4倍もの差が出ることが分かっている。(下グラフ参照)

そこで、SaaSの価格設定でよく見受けられる「間違い」トップ5を紹介する。

価格が安すぎる

よくある間違いの1つは、価格を安く設定し過ぎること。導入のハードルを下げるために最初は手頃な価格を設定しがちだが、本来は、「このプロダクトに顧客はいくらまでなら支払うのか」をユーザーヒアリングを通して調査し、その結果を反映させるべき。

また、プロダクトは時間軸と共に常に改善され機能も増えるので、価格に変動が生じるのも当然のこと。Atlassian が2016年に買収した StatusPage の価格設定を時間軸と共に見てみると、2013年と2016年の価格の差は最大30倍にもなり、ARPUも当初より2.4倍になっていた。

価格体系が間違っている

アカウント数なのか、APIコール数なのか、それとも社員数なのか。何を基準に価格を変えるべきなのかを正しく決める必要がある。調査の結果、様々な業種や業界で利用されるHorizontal SaaSはアカウント数ベースでの従量課金を採用し、特定の業界に特化したVertical SaaSは利用ベースで従量課金をしている企業が多いことが分かった。

顧客がプロダクトやサービスから得られてる価値に比例して、課金する金額も上がる価格体系にすること。この時、その「価値」を表すKPIが何なのかを考える必要がある。

例えば、経費精算システム Expensify は、元々ユーザー数ベースで課金をしていた。そのため、顧客企業は毎月経費精算を行う社員の分だけのアカウントを登録し、時々しか経費精算をしない社員のアカウントは登録しないというケースが多く見られた。
そこで、課金ポイントを『該当月に経費精算をした”アクティブユーザー”』に変えた途端、全社導入のハードルが下がり、全ての社員が気軽にサービスを利用できるようになった。

もう1つの例として、不動産ブローカーや物件オーナー向けの物件管理SaaS VTS は、物件数ベースで課金をしていたため、物件規模に関わらず課金額が同じだった。つまり、小さい物件を管理してる人にとっては割高なサービスで、大きい物件を管理している人にとっては、非常に安価なサービスになってしまっていた。そこで、従量課金をするポイントを、物件数ではなく〈管理している平米数〉に変えることによって、適正な価格で課金できるようになった。

買いずらい(決めずらく)している

「自分の会社にとって最適なプランはどれなのか?」
「導入したら毎月いくらかかるのか?」
特に、営業手法が『セルフサーブ型』や『インサイドセールズ』中心のSaaSは、これらの答えをすぐに見つけられる料金ページを作成すべき。

参考にできる例として、Slackの料金ページでは、それぞれの料金パッケージがどういったチームや企業に向いているのか、そしてどういったメリットがあるのかを明確にしている。さらに『よくある質問』を同ページ内に表示させ、なるべくその場で疑問を解消できる仕組み作りをしている。

アップセルができない価格体系になっている

成長率が高いSaaS企業に共通する特徴の1つは『Negative Churn』であること。Negative Churnとは、退会による売上の減少額よりも、アップセルやアップグレードによる既存顧客の売上増額の方が上回っていること。以下のグラフからも分かる通り、年度成長率100%以上を達成しているSaaS企業は、売上継続率が平均して109%になっている。つまり、今月獲得できた売上100万円は、新規顧客を獲得しなくても1年後には109万円になっているということだ。

例えば、インフラのパフォーマンス監視サービスを展開する NewRelic は、利用しているインスタンスのサイズに応じて従量課金がされるようになっている。つまり、既存顧客はNewRelicのインスタンスを増やせば増やすほど、課金額が上がっていく〈アップセル可能な料金体系〉になっている。その結果、現在売上継続率は123%にもなるという。

別の例として、400億円以上で Atlassian に買収されたタスク管理サービス Trello も、より便利な追加機能の利用やコラボレーションをする相手の数を増やすために、別プランの購入が必要になる。

価格設定がダイナミックに変化していない

SaaS企業の価格設定は、会社のフェーズに応じても変化するべきだ。初期の段階では1つのプロダクトに対し単一の価格を設定したとしても、その後様々な機能が追加されたり、別のプロダクトが展開されたり、新しい業種がターゲット顧客層となるなど、会社がスケールすると共に価格設定もダイナミックに変化するべき。

SaaSの王者である Salesforce も1999年から新たな価格体系を展開しており、初期の価格から6倍値上がりしているプランもある。

価格は最初に設定したらそれで終わるのではなく、変動するものだ。
新しい機能を展開した時、ニーズの異なる新しい顧客属性を取り入れた時、そして、会社の信頼性やブランドが強化された時など、様々な理由やきっかけで見直す必要がある。

価格設定は会社の成長率や利益率に大きなインパクトを与える。
会社の内部で〈価格の最適化〉について常に考え、実行する担当責任者を置くと良いだろう。

(edited by kobajenne

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参入障壁を生み出す「13種類のネットワーク効果」

本記事は、https://www.nfx.com/essays を要約したものです。著作者(James Currier)から転載の許可を得て掲載しています。
※一部説明を加えています。

PayPal、Microsoft、Facebook、Uber、Twitter、 Salesforce。どの企業も世界に大きなインパクトをもたらし、そして、大きな「価値」を持つ。

これらの会社に共通することとは何なのか。
それは、彼らが強力な「ネットワーク効果」を持っているということだ。

「ネットワーク効果」は、参入障壁を生み出すための4つの要素のうちの1つ。その他にも参入障壁を作るための要素として「ブランド」「スケール」そして「エンベッド(埋め込み)」があるが、「ネットワーク効果」は、特に強い影響を持つ。

ネットワーク効果とは、同じプラットフォームやサービスを利用するユーザが増加することによって、それ自体の効用や価値が高まる効果のこと。例えば、電子メールを使うユーザーが増えれば増えるほどメールを送信できる相手が増加し、メール自体の価値が高まる、というのも1つの例だ。

ネットワーク効果は、13のタイプに細かく分類することができ、それらは全て大きく5つのカテゴリーに属している。下図は、これら13のタイプをカテゴリー別に色分けしたもの。円の中心にある〈Physical (物理的)〉は、ネットワーク効果の中でも一番強い影響を持つ(参入障壁が一番高い)。円の外にいけばいく程、ネットワーク効果が弱くなる。

これから、ネットワーク効果が強い順に、それぞれのタイプを紹介していこう。

Physical (Direct)
上図で、青色にカテゴライズされているのは「Direct Network Effects」。
一番シンプル、且つ強いネットワーク効果で、プロダクトが利用されればされるほどユーザーに還元される価値が上がる。

フィジカル・ネットワークの分かりやすい例は、電話回線のネットワーク。電話をかける相手が1人しかいなければ「電話」自体に大きな価値は無いが、かけられる相手が増えれば増えるほどその価値は上がる。電話回線を引くという多額な先行投資こそ必要なものの、一旦整ってしまえばマーケットを独占できる程の強力なパワーを持つ。

例:道路、線路、水、電気やケーブルテレビなど。

Protocol (Direct)
プロトコル・ネットワークは、コミュニケーションや情報処理がスタンダード化され、誰でもそのプロトコルに沿ってネットワークを活用できる。

例:FaxやTCP/IP。最近ではビットコインや、イーサリアムなど

Personal Utility (Direct)
パーソナル・ユーティリティー・ネットワークには、主に2つの特徴がある。
まず、ユーザーのアイデンティティー(身元)がネットワークに紐づいていること。もう1つは、ビジネスや個人的な理由で、そのプロダクトまたはサービスが毎日利用されていること。主にコミュニケーションやコラボレーションの手段になることが多い。

例:Facebook Messenger、Slack、SkypeやSMSなど。

Personal (Direct)
パーソナル・ネットワークは、利用者の「アイデンティティー」と「評判」が紐づいているネットワーク。このネットワークを活用して自身の評判を築いている人が増えれば増えるほど、ネットワークに参加するインセンティブも増え、価値も上がる。

例:Facebook, LinkedIn, Twitterなど。

Market Network (Direct)
マーケット・ネットワークは、「アイデンティティー」と「コミュニケーション」の要素に「トランザクション(取引)」の要素が加わったネットワーク。
純粋な取引だけを目的としたマーケットプレイスのネットワークと違って、ワークフローやコラボレーションができるネットワークで、プロとしての評判を築くこともできるのが特徴。

例:Houzz、AngelList、HoneyBookなど。

Marketplace (2-Sided)
2-Sided(2面性)・ネットワークは、「需要サイド」と「供給サイド」という2種類のユーザーが存在するときに生まれる。例えばクラウドソーシングサービスでは、サービスを提供する側(供給)とサービスを受ける側(需要)の2種類のユーザーがいる。

例:eBay、Alibaba、Amazon Marketplace、Etsyなど。

Platform (2-Sided)
プラットフォーム型・ネットワークは、先ほど紹介したマーケットプレイス型とは異なり、供給サイドがプラットフォームに統合させるための開発を行う必要がある。つまり供給サイドは、技術者やプロダクトを開発している会社になる。

例:iOS、Microsoft、Nintendoなど。

Asymptotic Marketplace (2-Sided)
2面性のマーケットプレイス・ネットワークは、1つとして同じになることはない。特に大きく異なるのは、ネットワークへの参加者が増えたときの、「需要の価値」が上がるスピード。以下グラフを見ると、UberやLyftのような「Asymptotic(漸近的な)・マーケットプレイス」(赤色)よりも、eBay や Craigslist といったマーケットプレイス型・ネットワーク(オレンジ色)の価値の上がりかたの方が、早いことが分かる。

例えば Uber や Lyft は、運転手が増えれば増えるほど、乗客にとってのメリットは増える。その一方で、乗客が得られる価値は急激に減少する。
車が捕まるまで8分かかっていたものが、4分になるのは大きな違いを感じるかもしれないが、それが4分から2分に変わった場合はどうだろう?先ほどよりは、価値を感じなくなるだろう。特定のエリアに一定数の運転手や車が集まってしまえば、それ以上増えたとしてもユーザー体験自体はそこまで変わらなくなるのだ。

Data Network Effects
データ・ネットワークは、名前の通りデータが集まれば集まるほど、そのデータを元にユーザーに提供できる価値が上がるということ。
データのネットワーク効果は、人と人との繋がりから生まれるネットワーク効果よりも弱い。それは「Asymptotic(漸近的な)・マーケットプレイス」同様、一定の数を集めてしまえば、それ以上を集めても得られる価値が大きく上がらないからだ。

例:Google、食べログ、Wazeなど。

Tech Performance Network Effects
テックパフォーマンス・ネットワークとは、ネットワークに参加するユーザーが増えるほど、パフォーマンスも上がるというもの。
例えば、BitTorrent のような Peer-to-Peer でファイル共有をするネットワークは、その同じファイルを共有(Seed)しているユーザーが増えることで、ダウンロードのスピードが上がる。

例:BitTorrent、global VPN、Hola

Language (Social)
言語もネットワーク効果の1つだ。世界には、日本語より英語を話す人の方が10倍近く多く存在する。そこから、「英語」という言語によるネットワーク効果の強さの差が生まれる。

人は、何かを検索する時に「ググる」と言ったり、『仮想通貨』といえば真っ先に「ビットコイン」を思い浮かべる。このようにスタートアップは、言語の中に入り込むことによって、言葉のネットワーク効果を活用することができる。

例:英語、日本語、グーグル、ゼロックスなど。

Belief (Social)
宗教など多くの人が信じる概念には、信念のネットワーク効果が生まれる。
最近の事例として、ビットコインの価値を信じる人が増加したことで、ビットコインの価値が急激に上がるという現象が起きたことが挙げられるだろう。

例:ビットコイン、金、宗教など。

Bandwagon (Social)
最後に、Bandwagonは「仲間外れになりたくない」など人間が生きている中で感じる社会的なプレッシャーによってネットワークに参加したくなる効果。

例えば、テック業界でSlackを使ってない会社は、モダンなコミュニケーションを取り入れられていない印象を持たれてしまうことがある。

Appleも、彼らのブランディングやPR活動により「Apple製品を持つことで “クール” な集団の一員になれる」という社会的プレッシャーを生み出すネットワーク効果を構築することに成功している。

例:Apple、Slack、Githubなど。

以上が「13種類のネットワーク効果」だ。

それぞれのネットワーク効果には、特徴や強さの違いがある。自分が展開しているサービスやプロダクトにどういったネットワーク効果があるのか、そして、それを強化するためにはどうすれば良いのかを考えるための参考にして欲しい。

(edited by kobajenne

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