僕は社長に向いていない

「社長」という職業をマスターすることは難しい。

クオリティの高いプロダクトを作るプロダクトマネージャーであり、時には社員のメンタルケアもする精神科であり、他社との連携開拓をする政治家でもあり、はたまた時には優秀な人材を確保するヘッドハンターであり…その他にもたくさんの役割を担っている。

時には頑固で時には柔軟に。時には自信過剰で時には謙虚に。時には慎重すぎるくらい慎重に、でも時には積極的にリスクを自ら取りに行く。

矛盾点の多い不自然な職業なのだと思う。

社長になるためのトレーニングは無い。社長になって初めて経験することが山のようにあるのだから、社長になるための準備が万全に出来ている社長予備軍などいないはずだ。

多種多様な性格を持つメンバーがたくさんいる組織、変化の激しい市場、容赦なく攻撃してくる競合相手を、常に上手にアレンジして会社を経営していかなくてはいけない。

こんなにコンプレックスだらけの職種なのだから、どんなに優秀な人物であっても誤った判断をしてしまったり、思うように成果に繋がらないこともある。そんな自分に落胆して、「自分は社長に向いてない」と思ってしまう事も何度もあるだろう。特に負けず嫌いで、学校や仕事で優等生だった人であればあるほど、そう思う頻度が高いかもしれない。

はじめから社長に向いている人はいない。

恐らく完全にマスターするのは不可能だと思う。大きな責任を背負いながらマスターできない仕事をし続ける精神的な負担は計り知れない。不安、恐怖、混乱の状態のなかで、時に「自分は社長に向いていない」と思ってしまうのは当たり前だ。きっとどの社長もそう思ったことがあるだろう。でも、これは一流になるまでのプロセスにすぎない。

メンタルマネージメント

重要なのは、自信をなくして不安や恐怖などネガティブな感情のループに陥ったときのメンタルマネージメントだ。以下は、僕が推奨するテクニック。

メンターを探す:自分と同じ立場や状況を一度でも経験したことのある相談相手がいるとだいぶ楽になる。心を開いて気ままに相談できる相手がいればさらにベストだ。

再校正: 自分の考えをもう一度すべて紙に落とし込んで、自分がくだした判断のロジックを可視化する。何度考えても同じ結論にたどり着くことができて、自分自身が何を求めているのか、何をゴールにしているのかなど、考えがぶれていないことを再確認する。

もう1つ僕が良くやる事は「勝つためには」という言葉を真っ白な紙の一番左上に書いて、自分にとっての「勝った状況」は何なのかをその下にリストアップする。そして「今の状況」を一番右上にリストアップする。
勝った状態と今の状態のリストの間に今の状態から勝った状態にたどり着く為に取るべきアクションをリストアップして、自分が今行っている事が本当に重要なのかどうかを確認したり、今のうちにやらないといけないことを整理する。

長期的に考える: とにかく長いスパンで物事を考える。自分が考えたビジョンや長期的な目標にメンタルをフォーカスする事によって、いま目の前で直面している壁や課題が小さく感じる。

減速する: 常にハイスピードな状態を維持したままで高いパフォーマンスを出し続けることは難しい。時には減速してアウトプットも減らして、インプットを増やしたり、仕事のペースを落としたり、状況が許すのであれば数日休んだり。加速する為には減速することも必要だ。

しつこく言っているけれど、社長という職業に就いたら、たくさんのコンプレックスの渦の中で生きていかなくてはならない。だから、最初から完璧にできる人などいない。ただ重要なのは、決して諦めないこと。究極はそこなのかもしれない。

P.S

自分の運が悪いと思っているのであれば「Uber創業者のFailcon」を見るといい。本当に勇気づけられる。


前田ヒロのメルマガは以下で登録できます