投資家やメンターのアドバイスをどう処理するべきか?

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アクセラレーターに参加する初期段階のチームやスタートアップは、投資家やメンターに出会う機会が多くある。それぞれから色々な指摘やフィードバックを受け、その結果、ピボットしたり、戦略を変えたり、はたまたプロダクト自体を変えることだってある。しかしあまりにも素直に、すべてのフィードバックを受け入れた結果、迷走してしまって軸がブレてしまうケースをよく見かける。

どのフィードバックが正しいのか?どれを優先して反映するべきか?など、スタートアップの創業者はもらったフィードバックを的確に分析していく必要がある。

アジェンダ

まず始めに理解しないといけないのは、アドバイスをするメンターや投資家はそれぞれ違うアジェンダを持っているという事。
特に投資家のアドバイスには細心の注意を払った方が良い。投資家は「ビッグなアイディア」に投資したがるので、「アイディアが小さすぎる」と言及してくることが多い。でも、そのアイディアが本当に小さいのかどうかはほんの数分間話を聞くだけでは分かるはずがない。アイディアの大小は、サービスをローンチしてマーケットとユーザーの反応を見てからではないと分からない事が多い。一流のVCでさえアイディアの大小の判断を間違える事がある(例えば初期の段階のTwitterやGoogleへの出資を断った一流VCもいる)。

そして、初対面のスタートアップに対してたくさんのアドバイスをする投資家がいる。その中には、「この人は知識が豊富で、今後一緒に組めれば色々と教えてもらえる」という印象を起業家に与えるためにこうしたスタイルを取る投資家もいるのだ。今そのスタートアップにとって何が大事なのかを理解しようとする前に、とにかく「自分と組めばうまくいく」と思わせるために色々な知識やアドバイス、ビジョンを語りかけるのだ。これは、投資家自身「どれだけ優秀な起業家と組むことができるか」が1つの重要なキーポイントなのだから、仕方のないことなのだが。だからこそ、起業家がアドバイスを求める時、人はそれぞれ違うアジェンダを持っている事を理解しないといけない。そしてそのアドバイスが本当に正しいかどうかは必ず自分で判断する必要がある。

プロダクト

  1. ターゲットユーザー
  2. クオリティーが高く、たくさんの人に愛用されたプロダクトを作った事がある
  3. スペシャリスト

極端に聞こえるかもしれないが、そのメンターや投資家が上記のいずれかにも当てはまらないのであれば、そのプロダクトに対するフィードバックは無視しても良いと思う。

プロダクトのフィードバックは、ターゲットとなるユーザー(お客さん)から聞くことを優先する。

ビジョン

ビジョンは創業者が自分自身で考えて作るべき。他の人に言われたビジョンを選択肢にしてはいけない。

プライオリティ

では実際に今後たくさんもらうであろうアドバイスは、どう分析して判断すれば良いのか。

それは自分のスタートアップが今どんなフェーズにいて、プライオリティが一番高い大事な課題が何なのかを把握する事によって整理しやすくなる。

課題検証なのか、プロダクトの検証なのか、プロダクトやオペレーションの最適化なのか、それともスケールするフェーズなのかなどを把握する事によって、どのようなアドバイスが必要なのかが判断できる。もらったアドバイスをリストに落とし込んで、今のフェーズに適しているアドバイスをハイライトする。ハイライトされなかったポイントは、無視するくらい強気で良い。

ドメイン

誰からアドバイスをもらっているかも重要なポイント。起業家は、アドバイスをしてくれた人がどのような経験、実績を持ち、どういった分野の専門家なのかを理解しておく必要がある。その人の専門がマネージメントなのか、データ分析なのか、プロダクトデザインなのか、など。自分のプロダクトやサービス、企業にとって一番必要なアドバイスをもらえるよう、起業家自身も予め考え理解しておくべき。

何度も言うが、出始めのスタートアップは、色々な人からたくさんのアドバイスをもらう。だからこそ、きちんと整理をすることが大事。

  • ビジョンは自分自身で見出して信じるべきで、決してブレてはならない。
  • プロダクトはユーザーファースト。
  • プライオリティの把握。
  • 誰からのアドバイスを得るべきかを起業家がきちんと整理し、理解しておくこと。

そして最後に分かっておいてもらいたいのは、アドバイスは「指示」ではなくて、あくまでも「アドバイス」であるということ。自分が立ち上げたスタートアップなのだから、自分が一番正しいと思った方向を進むべきなのだ。その結果それが正しかったかどうかはすぐに見えてくるし、それが正しかったとしても、誤りだったとしても、起業家人生というのはそういう経験の連続であり、それによって「判断力」を磨くことが一番大事なのだ。


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