「最高の組織」をつくるには、従業員一人一人が自身のミッションを理解し、目標、期待そして戦略を明確にすること。そして、自身のアウトプットが会社全体に貢献しているという実感(自信)を持てる環境づくりが必要だ。
1 on 1は、これらを実現するために必要不可欠なツールであり、もしマネージャーに必要なスキルを一つだけに絞るとしたら、僕は「1 on 1を上手く行えるスキル」を挙げる。
マネージャー=時間のレバレッジ、部下=集中と成長のきっかけ
マネージャーにとって、部下との定期的な30分間1 on 1の時間を設けることは、レバレッジを効かせるための重要な時間になる。
1 on 1を通して「いま何が大事なのか」の認識をお互い再確認し、情報をシンクロさせる。これが、”選択と集中” の絶好の機会になる。会社の成長に貢献するアウトプットを増やし、部下のさらなる自立に繋げていくことができる。
また、マネージャーにとっても自分以外の視点で会社や組織の課題を拾えるきっかけになり、自分自身の成長に繋がるフィードバックを受け取ることができる。
何よりも1 on 1は部下との信頼関係を深めることができる。
進捗を確認する時間ではない
1 on 1は、進捗やタスクを管理する時間ではない。産業革命の時に普及し定着した「マイクロマネージメント」は、インターネット企業の組織体では通用しないと思っている。
1 on 1の時間は、部下のより一層の自立・成長を促すため、そしてクリエイティビティを引き出すための「部下のための時間」だ。極端な話、マネージャーは自ら話す必要はなく、”聞く姿勢” であるべき。答えを出すのではなく答えを出す手助けをする意識が重要だ。そして、よくありがちだが予定していた1 on 1は絶対キャンセルしないこと。
構成は10-10-10
1 on 1ミーティングの理想の構成は:
● 部下が話したいことを自由に話す・・・10分
● マネージャーが話したいことを話す・・・10分
● 未来について語る・・・10分
最初の10分は、部下が話したいことをとにかく自由に話す時間。もし、マネージャーが最初に「あの件はどうなりましたか?」や「週末はどうでしたか?」という質問を部下にぶつけてしまったら、それはすでに “マネージャーが話したいこと” を話していることになる。会話の出だしは「最近どうですか?」や「何について話したいですか?」からスタートすると良いだろう。
次の10分では、プロジェクトの進捗確認をしても良いが、フィードバックを得る時間に使うことを推奨する。例えば、サイバーエージェントやSmartHRでは「あなたのパフォーマンスを天気で表すと、どんな状態ですか?」という質問をしている。これは、部下のコンディションや課題を、双方に伝えやすい形で引き出すことができる良い例だ。
他にも「私が見落としている機会損失はありますか?」や「働きやすい環境をつくるために私にできることはありますか?」などの質問で、マネージャーに対するフィードバックを求めることもできる。
最後の10分は、直近の目標や、部下のキャリアプランニングも含めた中長期の将来プランについて話すと良い。
もちろん、きっちり時間を守る必要はない。最初は、30分間部下が話しっぱなしになってしまうということもあるかもしれないが、回数を重ねる度に徐々にこの理想の構成に近づければ良い。
1 on 1の頻度
1 on 1の頻度には色々な考えがあり、最初は週に一度、そして徐々に月に一度に減らしていく方が良い人もいれば、週に二度が良い人もいる。僕は、直属の部下との1 on 1は、週に一度の頻度が最適だと思っている。その理由は単純で、比較的頻度が多い方が、情報や感覚のシンクロ率が高くなり、信頼関係が築きやすくなると考えているからだ。
『1 on 1』は、実は奥が深く、最初から効果的かつ効率的な1 on 1をするのは難しい。とにかく回数を重ねて、どうすればもっと有意義な1 on 1にできるのかを試行錯誤していくと良い。1 on 1を長くやってきた他のマネージャーやリーダーに話を聞くのも効果的だろう。
僕が1 on 1について参考にしている記事は、以下。
- How To Run Effective One-On-One Meetings
- How to run the best one-on-one meetings
- How to Make Your One-on-Ones with Employees More Productive
- One On One
(edited by kobajenne)
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