スタートアップの社長が評価されるとき、たいていその指標となるのは、会社の成長率や目標の達成率だ。しかし、投資家やボードメンバーがよく見落とすポイントがある。それは、社員が社長をどう評価しているかだ。
僕自身も最近まで、特に順調に成長しているスタートアップに対しては、この評価の重要性を見落としていたのだが、会社が順調であるときも、この評価は非常に重要であることに気づいた。その理由は、1) 社長以外の視点で会社の状況や情報を収集することができる 2) 組織の中で壊れていたりしている部分を悪化する前に早期発見することができる 3) 社長をより良い経営者にするために必要なコーチングが何かを把握できるようになるからだ。
社長を評価するための社員面談は、社長の許可を得て一部または全員と1対1で話す機会を設ける。この評価を行うタイミングは「組織的なブレークポイント」で行う。ブレークポイントとは、会社が10人、25人、50人、そして100人を超えた時。より効率的なコミュニケーションのために組織変更がされたり、部署が設置されてミドルマネージメントが入るタイミングだ。
社員と1対1で話すとき、主に確認すべき点は以下である。
ビジョンや戦略の明快さ:会社のビジョンや戦略が明快に伝わっているかどうか。個人レベルでどういうアクションを取るべきか、目標は何か、が明確に理解されているか。
コア・バリュー(価値観)の明快さ:会社のコア・バリューを理解できているか。仕事をするとき、何か判断をするときに何を重要視すべきかを理解しているか。経営軍はそのコア・バリューをきちんと日頃実行しているか。
カルチャー作り:社員のモチベーションが高いか。一体感のあるチームになっているか。
人材マネージメント:採用基準が明快に定義されていて、高く設定されているかどうか。人材が適材適所に配置されているかどうか。
上記の要素に対して情報をまとめて、社長にフィードバックをする。緊急性のある問題が発覚した場合、すぐにアクションに移すこともあれば、注意だけして時間かけて改善するケースもある。なお、これはあくまでも社長をより良い経営者にするためのフィードバックが目的であり、役員報酬等その他の決議に使われるものではない。
参考までに、支援先の評価結果は以下だ:
- SmartHR –第5回評価(2020年)、第4回評価(2019年)、第三回評価(2018年)、 第二回評価(2017年)、第一回評価(2016年)
- Refcome – 第一回評価(2017年)
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