恐怖に向かって走る

Pocket

人は、恐怖を避けようとする。

恐怖を感じた時、多くの人は、その恐怖を無視することができなくなるまで放置するか、その恐怖について考えようともせずに、恐怖から逃げようとする。

僕自身も、同じことをしてしまいがちだった。今でも、課題や問題が現れそうな時、「もう少し待てば状況は良くなる。時間が状況を良くしてくれる。」と楽観的で安易な考えを持って、簡単な選択をしてしまう時がある。

そもそもなぜ、人は恐怖から逃げようとするのか?それは、3つの理由のどれかに当てはまるのではないかと思う。

  1. 感情的なストレスを避けたい。エネルギーも奪われるし、気持ちの良い物ではないから。
  2. 嫌われたくない。誰かを不快な気持ちにさせたくない。
  3. 自分が失敗したという事実を作りたくない。その可能性が少しでもあるなら避けたい。

この3つのことを考えるだけでも、一歩踏み出そうという気は失せる。

でも、これまで僕が「本当に素晴らしい」と感じ、尊敬するリーダーたちは、みんな「恐怖に向かって走る」人たちだ。彼らは、自身や会社の課題を発見するスピード、対策を打ち推進するスピード、全てが速い。だから、進化と成長スピードの速い会社を経営できている。

今回のブログでは、恐怖への立ち向かい方、について伝えよう。

まず最初に、人は「恐怖やリスクを過大評価してしまう」ということを理解しなくてはいけない。著名な心理学者 ダニエル・カーネマン の本 によると、判断をする場面で、人は、悪い結果やリスク、失う物にフォーカスし過ぎてしまう傾向があるという。悪いシナリオが起きる確率を過大評価してしまい、上手くいくシナリオを過小評価してしまう。恐怖やリスクが、頭の中で必要以上に強調されてしまうのだ。

でも振り返ってみてほしい。勇気を振り絞って恐怖に立ち向かってみたら、こんな結果になったことはないだろうか?

  • 実際やってみたら、想像していたほど恐れる必要もないことだった。
  • 行動に移してみたら、それまで恐怖だと思っていたものが恐怖ではなくなった。
  • 想定通りの結果にはならなかったけれど、自分の姿勢や言動によって、信頼を得ることができた。
  • 今回の結果は悪かったかもしれないけれど、自分がより前向きにポジティブになることができた気がする。

そう。つまり自分が恐れ、避けていたことの大部分は「もっと早くに向き合うべきだった」ことである可能性が高く、もっと早くに向き合わなかったことへの後悔に繋がることが多いのだ。

では、恐怖を感じてそこから逃げたいと思ってしまった時はどうすれば良いのか。僕は、こんな順番で自分の思考を整理している。

  1. 様々な判断や行動を考えて、それぞれのシナリオをできる限り詳細にシミュレーションする。
  2. シミュレーションのなかで恐怖を感じる要素があったら、「恐怖を過大評価しているのでは?」と自分に問いかけてみる。その上で、恐怖に対する対策を考える。
  3. その結果の自分の決断が、「一番簡単な選択肢ではなく、一番正しい選択肢である」かどうかを再度確認してみる。

このプロセスを進めていくと、恐怖への立ち向かい方が変わってくる。

ただ、一人でこのプロセスを進めることは、かなりの練習とマインドセットの変化が必要になる。人は一人だと、どうしても楽しくて、希望を感じるテーマに目が行きがちになるから。こればかりは、人間だから仕方ない。

そんな時は、コーチやメンターと一緒に恐怖に立ち向かう、という方法もあるだろう。客観的な考えを伝えてくれるパートナーがいることで、より深いところまで考え抜くことができるから。

今度、恐怖を感じることがあったら、その恐怖から逃げるのではなく、恐怖に向かって走ってみてほしい。逃げるよりは、良い結果にたどり着けるはずだ。
最後に。自分自身で、またはコーチと一緒に恐怖に向き合おう、向き合ってみたいと考えている人に、観てほしいセッションがある。11月17日(木)に僕たちが開催する ALL STAR SAAS CONFERENCE で、Coinbase、Notion、Reddit、OpenAIなどのCEOが実際に受けているコーチングメソッド「Mochary Method」からスピーカーを招聘し、恐怖に立ち向かうためのコーチングテクニックについてディスカッションをする。このセッションを観た後は、きっと「恐怖への向き合い方」に対する意識、考えがさらに変わるはずだ。

参加登録はこちら:

(記事の編集してくれたkobajenneに感謝)


前田ヒロのメールマガジンに登録しよう!

最新の記事やポッドキャストをいち早くお知らせします!


Pocket