Photo by: 1st Brigade Combat Team 82nd Airborne Division
世界中でスタートアップへの注目度が急激に高まっている。
ユニコーン企業の数も250社を超え、2018年アメリカ国内のベンチャー投資総額がすでに6.2兆円に達するなど、ドットコムバブル以来の驚異的なスピードで業界全体が動いている*。日本国内でも、2017年ベンチャー投資総額は2700億円を突破。これは2012年の4.3倍の金額だ*。これによって、資金力があり採用余力のあるスタートアップが世界中で増え、人材獲得の競争をより激しくさせている。
特にこの競争が激しいと感じられるのは、Google、Facebook、Apple、Amazon、Airbnbなどがあるアメリカだ。従業員の平均勤務期間が2年以下の企業が多いというデータが発表されている*。
採用の競争がどんどん激しさを増すなか、起業家や経営者は人を巻き込み、活かし、そして人が残る良い組織をつくる事にコミットしないと真の「良い会社」は作れない時代になったと僕は思う。では、実際にどんなことにコミットすべきなのか?以下は、この時代の起業家に必要な ”3つのコミット” だ。
従業員に対してコミット
いま、働き方の選択肢がどんどん増えている。動画やソーシャルメディア、クラウドソーシングなどのプラットフォームの拡大によって、自分がパッションを持った分野でお金を稼ぐということがしやすくなった。
つまり、「お金(給料)」だけで人を巻き込むということはもうできないのだ。ミッションやビジョンへの共感。会社への貢献を実感できて自身の成長を感じられること。生きがいや働きやすさを常に実感できる環境づくりが重要になる。
従業員の育成、フレームワーク作り、方向性の定義など、すぐに結果に直結しないことに対して時間とマインドシェアを割り当て、コミットしていく必要がある。
素直になる事にコミット
良い組織をつくるために最も重要なのは、「素直さ」だと思う。トップダウンだけでなくボトムアップでフィードバックや情報を取り入れて、経営やマネジメントに反映させる必要がある。経営陣やマネージャーは、自分たちの弱みをお互いに見せあい、間違いも負けも素直に認める必要がある。
プレイヤーとして優秀な人は、自ら役割を果たし、成果や実績を築き上げる。そして効率よく働き、答えを導き出す。一方、経営者や管理職に必要なのは、重要な役割をメンバーに委任し、メンバーが成果や実績を出せる環境をつくることだ。
必要なのは「効率よりも育成」「答えよりも誘導」だ。
だから、プレイヤーとして優秀な人ほど、経営やマネージメントに携わることになったときに違和感を感じる。この変化を受け入れられる「素直さ」があるかどうかで良い組織づくりができるかどうかが決まる。
最高を目指すことにコミット
〈業績が良い = 組織の状態が良い〉というわけではない。
もちろん、業績伸びれば従業員の満足度は上がる。その一方で、組織の欠点や課題が見えづらくなる。良い時でも悪い時でも、徹底的に組織の状態を把握し、課題の早期発見と解決に取り組む「”最高” を目指すコミットメント」が必要だ。
そして最後に。僕自身ベンチャーキャピタリストとして、「最高の組織」を作るための支援ができるよう、起業家にとって良いコーチになれるようなスキルを磨き、経験を積み、そして良い組織のつくり方に対する知識を蓄えることをここにコミットする。
(edited by kobajenne)
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