AIとSaaS — その戦略、事例、そして未来

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(本記事はNotion AIを活用しています)

スマートフォンが、ウェブに新たな大きな波を作ったように、AIは、SaaS業界に大きな変革を起こすと思っている。

David Sacks

AIの発展、そしてGPTを活用したアプリ、サービスがどんどんと増えている昨今、その勢い、影響力はますます強まっている。なかでも、つい先日発表された「Notion AI」は、特に上手にAIを取り入れ、従来の利便性を保ちながらもユーザーに新たな価値を提供した例だろう。

このAIの波は、SaaS業界にも革新的な波をもたらしている。SaaS企業がAIを活用することで、より強力なプロダクトを提供し、普及を加速させられる可能性があると思う。今回は、AIを取り入れたサービス事例を紹介しながら、SaaS企業がAIを取り入れるときに考えるべきポイントにも触れていく。

AIの事例

AIを取り入れた最近のSaaSプロダクトを調べてみて、それらを大きく3つのカテゴリに分類してみた。

(1)プログラミングやカスタマーサポート業務などを自動化したりアシストしたりする「サジェスト/アシスト」カテゴリ

(2)大量のデータから重要なポイントのみを抜き出したり、サマライズする「サマライズ」カテゴリ

  • 会議内容のサマライズ (Vowel)
  • お問い合わせ内容などからフィードバックをサマライズ (betterfeedback)
  • 記事の要約 (Genei.io)

(3)画像、音楽、動画、コピーなどのクリエイティブを生成する「クリエイティブ」カテゴリ

SaaSの提供価値を高めて普及を加速する

僕は、AIとSaaSを切り離して別々のものとして見るのではなく、それぞれが “ソフトウェア” という世界の中の1つとして混ざり合うような感じになっていくのではないかと考えている。SaaS企業は、AIによってより多様にお客さまの課題を解決できるようになり、提供価値はさらに上がっていくことは間違いない。また、AIがドライブする新たなUXの実現によって、SaaSやソフトウェアの普及がもっと加速する可能性もある。

例えば、DBの構築や管理を求められてきたサービスは、AIによって自動化できる幅が広がることで、お客さま側の教育やベンダー側の工数を減らすことができ、より広い対象に向けてサービスを提供できるようになる。大量のデータを扱うサービスも、AIによってより使いやすく、簡単に使いこなせるようになる可能性だってある。

音声コマンドで、より高度で複雑な指示を出せるようになれば、PC環境でしか実現できなかったことを、ハンズフリーの環境でも使えるようになる。

AIの可能性は、無限にある。

Source: Foundation Models Are The New Public Cloud

AIもSaaSも基本戦略は変わらない

AIは、コモディティー化されていく前提で考えておくべきだろう。中長期目線でみれば、AIの精度やAIを取り入れていること自体を差別化要素にすることは難しくなる。

前述の通り、AIとSaaSは切り離して考えるのではなく「AIを取り入れたSaaS」として考える。そう考えれば、SaaSの基本戦略であるプロダクトのポジショニング、進化を続けるプロダクト、お客さまに寄り添った設計やUX、データやワークフローを押さえることが、引き続き重要であり続けることは明白だろう。

AIもSaaSもまだまだこれから

AIによって、SaaSはさらに大きな可能性を、そして市場にさらに大きなインパクトをもたらすだろう。

こうしている今も、世界中で多くのAIスタートアップが生まれて、新たな挑戦に挑む企業が登場している。でも現段階では、そのほとんどがアーリーアダプターの興味関心によって試されているような状態だ。これが実際の業務に本当に定着するのか、中長期で価値を提供し続けることができるのか。最適なUXは何か、十分な精度が備わっているのかなど、未知数な部分はまだまだ多い。

ただ、AIが多くの業界に「新たな変革の波」を起こすことは間違いないと思う。ソフトウェアの世界で挑戦する起業家のみんなにとっても「どのようにして自分たちのサービスにAIを取り入れられるのか」を考えるにはベストなタイミングだろう。

(Thank you kobajenne for editing this blog)


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