起業家にとってレバレッジが効く仕事とは?


Photo by: DzyMsLizzy

過去に何度も書いているように、スタートアップはとにかく忙しい。起業家はすぐにやりたい事ややるべき事が山積みになり時間に追われるようになる。でも、プロダクト/マーケットフィットを達成しているスタートアップの起業家は、ハイスピードで様々な作業をこなすマインドセットから「レバレッジが効く」仕事に時間をかけるマインドセットへとスイッチする必要がある。

起業家にとってレバレッジが効く仕事とは?
多くの起業家は、顧客の獲得や、プロジェクトマネージメント、バックオフィスのタスク処理など、どうしても短期的に会社のKPIに直結する作業をしたくなるだろう。だが、こういった業務にはレバレッジが無い。「レバレッジが無い仕事」とは、アウトプットを再利用できなかったり、組織の中の影響範囲が狭かったりする内容の仕事を指す。

逆にレバレッジが効く仕事は、一度出したアウトプットを何度も何度も利用することができ、組織への影響範囲が大きく影響を与える時間軸も長いものだ。レバレッジが効く仕事は、KPIに直結しない、緊急度が低い内容になってる場合が多く、一見時間の無駄に見えてしまうかもしれないが、実は非常に重要度が高いのだ。

起業家はどのような「レバレッジが効く仕事」を行うべきなのか?
以下は、僕が考える起業家にとって重要なレバレッジが高い仕事の例だ。

ゴール設定:会社全体のゴールを、部署さらには社員レベルにまで落とし込むこと。 社員一人一人がどんな事にフォーカスするべきなのかを明確にすることで、部署間のコラボレーションがより円滑に進めることができるようになったり、それぞれが整合性を保った働き方ができるようになる。さらに言えば、社員の自己啓発につながるフレームワークとなる。社員全員に四半期から一年単位で影響していく内容になるため、目標設定には十分に時間をかけることを高く勧める。

オンボーディング / トレーニング:社員のオンボーディングやトレーニングの設計作業は掛け算効果がある。新入社員を戦力化するまでのスピードを上げることもできるし、業務効率の向上にも繋がる。GmailやSlackの使い方を教えるだけでも、その社員の今後の人生のアウトプットは上がるだろう。また、マネージャーや幹部層のトレーニングやコーチングも高いレバレッジがある重要な仕事だ。

コミュニケーションのプロトコル:良いアイディアや判断は、悪いコミュニケーションによって殺される。起業家の思いや考えを社員一人一人に届ける仕組みづくりもレバレッジが効く仕事の一つだ。会議の仕方や1on1のやり方、クラウドサービスの活用方法次第で、社長から社員へ、そして社員同士のコミュニケーションをより効率よく、効果的にすることができる。

幹部やマネージャー採用:マネージメントや幹部層の強化は、起業家にとってレバレッジが非常に高い。強いリーダーシップは「優秀な人材の巻き込み力」を強化し従業員を活かすことができる。そして何より、これによってレバレッジが高いその他の仕事に取り組むための時間を確保することができるようになる。

レバレッジ無しではスケールはできない
自分の時間は常にに一番貴重であり、有限なものだ。会社をスケールするためには、組織としてのアウトプットを上げ続けていく必要があり、そのためには自分が働いていない間でも効果を感じられるようなレバレッジが高い仕事を行わなければならない。自分のカレンダーやタスク管理アプリを見て、『レバレッジが効く仕事』がどのくらいできているのかを確認してみてほしい。

(edited by kobajenne

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