チャーン(退会率)との戦い方


Hans Splinter

チャーンレート(退会率)を低く抑えることは、どのビジネスもが戦わないといけないこと。ほんの数パーセントの違いだけでもそのビジネスの成長率や利益率に大きくインパクトを与える。

下図は、ある企業の月次売上の推移。青い線は月次チャーンが2.5%の企業。赤い線は5%の企業。両社とも新規の売上成長率は全く同じだが、ビジネスの規模が大きくなればなるほど、差が開いていることが分かる。チャーンレートが高ければ高いほど成長するための時間とコストがかかるのは明らかだ。

チャーンと戦う時ときは、大きく3つのステップがある

Step 1: 「成功したユーザー体験」が何かを理解する

まずは、成功したユーザー体験を知ること。プロダクトやサービスを使ったことがあるユーザーへのインタビューを通じて、満足度の高いユーザーが、どういった体験をしているのかを理解する。

(成功したユーザー体験例)
B2B・・・「とあるタスクを〇〇分でできた」
コマース・・・「欲しい商品が購入できた」
ソーシャルアプリ・・・「特定の動作(いいね、コメント、お気に入り等)を行った」

もし分析できるユーザーデータがあるのであれば、アクティブ率が高いユーザーとそうでないユーザーの行動を登録からの時間軸で見てみると良い。そこから、アクティブ率が高いユーザーがどういう体験(行動)をしているのかを導き出していく。

(事例)
B2B・・・「導入から30日以内に社員データを70%以上記入している」
コマース・・・「登録から24時間以内に購入している」
ソーシャルアプリ・・・「登録から7日以内にお気に入りを10回押している」

Step 2: 成功したユーザー体験を提供する

チャーンレートが低いユーザーがどのようなユーザー体験(行動)をしているのかが理解できたら、その体験をできるだけ多くのユーザーに提供する方法を考えて実行する。これは、完全にマニュアル作業で良い。スケーラブルである必要は全くない。

(事例)
B2B・・・「導入から最初の30日はサポートやコンサルを手厚くする」
コマース・・・「商品をメールで提案する」
ソーシャルアプリ・・・「お気に入りに入れるコンテンツを提案する」

先ほど述べたように、この段階で自動化やスケーラビリティーを考える必要はない。なぜならこれは、チャーンレートを下げる施策の検証が主な目的だからだ。

Step 3: 再現性があり、スケーラブルなプロセスにする

Step 2で実施した内容が、チャーンレートを下げるための施策として有効であることが検証できたら、この施策を再現性のあるスケーラブルなプロセスにしていく。

(事例)
B2B・・・カスタマーサクセスのマニュアルを作って体制を大きくする
コマース・・・提案の自動化や品揃いを増やす体制をつくる
ソーシャルアプリ・・・パーソナライズされたコンテンツ増やす仕組みや体制をつくる

ベンチマーク

チャーンレートと戦う時に、同規模の顧客を対象にサービスを展開している企業や、同業他社のチャーンレートを把握できていると、自社のチャーンレートの状況を正しく理解することができたり、目指すべきチャーンレートを知ることができる。
例えばB2Bの場合、大企業向けのサービスなら月次チャーンレートは0.5~1%未満、中小企業向けのサービスなら3%~7%程度がベンチマークとなる。月額制コンテンツ課金サービスの場合は、月次チャーンが2%〜6%。サブスリプション型コマースの場合は、5%未満が望ましい。

これらが、常に続いていくチャーンレートとの戦いに備えて実践すべき3つのステップ。このステップ1〜3は、今後何度も何度も繰り返しまわしていくべきだ。

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VCとして成功するために、起業家としての成功は必要なのか?


JD Lasica

VCを目指す若手や、VCの世界に入ろうとしている元起業家から時々聞かれる質問。

まずは、毎年 Forbes が発表している〈Midas List〉を見てみよう。これは投資先のIPO評価や、専門家からの意見によって決定されるテクノロジー系ベンチャーキャピタリストのランキングだ。2016年でトップ10入りしたVCで、実際起業家として成功しているのはどれくらいいるのだろうか。

※ 今回は成功の定義を100億円以上のエグジットとした

1) Jim Goetz, Sequoia Capital
有名な投資先:WhatsApp
起業家としての成功経験:無し。LinkedInではVital Signsの共同創業者として記載されているが、買収された時期が彼が辞めてから10年経過しているので、これは無しとしてカウント。

2) Steve Anderson, Baseline Ventures
有名な投資先:Instagram
起業家としての成功経験:無し。経歴はeBayでプロマネをしていたのと、StarbucksでGMをしていた。

3) Chris Sacca, Lowercase Capital
有名な投資先:Twitter
起業家としての成功経験:無し。Googleで従業員として働いていた。

4) Peter Fenton, Benchmark
有名な投資先:Twitter
起業家としての成功経験:無し。Accel Partnersで働いていた。

5) Mary Meeker, Kleiner Perkins Caufield & Byers
有名な投資先:Facebook
起業家としての成功経験:無し。元々はゴールドマンのMD

6) Josh Kopleman
有名な投資先:LinkedIn
起業家としての成功経験:あり。Half.comを創業し、$300M以上の価値でeBayに売却。

7) Neil Shen, Sequoia Capital China
有名な投資先:Alibaba
起業家としての成功経験:無し。Yale大学卒業後、Citibankに就職。

8) Bill Gurley, Benchmark
有名な投資先:Uber
起業家としての成功経験:無し。ウォールストリートでアナリストをした後、VCの世界へ。

9) Douglas Leone, Sequoia Capital
有名な投資先:FireEye
起業家としての成功経験:無し。Sun Microsystems、やHPを経てVCの世界へ。

10) Peter Thiel, Founders Fund
有名な投資先:Palantir
起業家としての成功経験:あり。PayPalを創業し$1.5Bでエグジット。

〈Midas List〉でトップ10入りしたVCの中で、起業家として成功しているのは、仮にJimをカウントしたとしても3人。つまり、起業家として成功を収めていなくても、VCとして成功する可能性は十分にある、ということだ。

それは何故か?

役割が異なる:特にこれから強い組織を作り上げようとしている初期段階の企業の場合、起業家に求められるのは物事を適格に判断して実行に移す、まさに組織を動かす「主役」になれる力だ。でもVCは、様々な情報や経験を集めて起業家が正しい判断ができるようにサポートしたり、資金調達や人材の採用、ネットワークの支援など、主役とはまた異なる視点や分野で力強く起業家を支援する「脇役」のような存在でいるべきだと思う。

選ぶ方が大事:VCは、有望なスタートアップや起業家を見つけて投資することが重要だ。つまり極端な話、起業家をサポートする能力が無くとも情報収集能力や目利き力があればVCになることはできる。でも、VCが起業家を選ぶように起業家もVCを選ぶ。だから、ただ起業家を見極めるだけの力でなく、起業家に選ばれるVCになることが、良いVCになる上で大切なことだと思う。

でも、起業経験はあった方が良い

共感:起業経験を持っていた方が、自分自身の経験から起業家の視点を理解し、強い信頼関係を構築できる。また、経験者の意見の方が未経験者の意見より尊重されやすい。

アドバイスができる:経験者の方が多面的かつ具体的なアドバイスができる。特に初めて起業する起業家は、少しでも困ったときや相談したいことがある時、起業経験そして成功体験のある人にアドバイスをもらえることは、とてもありがたいことだ。

「VCとして成功するために、起業家としての成功は必要なのか?」

僕なりの結論を述べると、VCとして成功するために、起業家としての成功は必須ではない。ただ、起業家経験があった方が差別化になり、より強いVCになれるのではないかと思う。

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友情を勝ち取り、人を動かす方法

年末年始は、かねてから読んでおきたかった本を読むことができた。
その中の1つがデール・カーネギー著の「 人を動かす 」。リーダーシップや人のマネージメント、そして人に好かれるための 30の原則 について書かれている。自分が無意識のうちに、すでに実践していたこともあれば、自分がチームをマネージしていた頃にもっと意識しておけば良かったと思う部分もあった。今回は、この30の原則のうち僕が特に意識しておきたいと思った「5つの原則」についてピックアップしたい。

他の人の意見を否定せずに尊重する
人と話をしている中で相手と意見が合わないときもあるだろう。
そんな時「間違っている」などネガティブな言葉を使って相手をただ否定するのではなく、その人の意見を尊重する姿勢をみせること。特に、意見が合わないときの話の進め方として重要なのは、まず意見が合う部分についての話から始めて、そこから意見の合わない部分の理由や原因を噛み砕いていく。非難、文句、そしてネガティブな言葉を並べ続けてはいけない。ポジティブでプロアクティブに会話を進めるべき。

正直で誠実な感謝を伝える
人は、簡単に感謝を伝えることを忘れてしまう。
どれだけ小さなことでも、ポジティブなフィードバックは伝えるべき。誰かに変わってほしい、または改善してほしいことがある時は、まずその人に対して感謝していることを具体的に伝えることが大切だ。これによって、自分がその人を認め、感謝し、信頼していることが伝わり、相手がフィードバックを吸収しやすくなる。

相手の興味を理解する
自分の話を相手により聞いてもらえるようにするためには、相手が何に興味を持っているのかを理解する必要がある。話の中心を「自分の興味」ではなく「相手の興味」にする。自分のストーリー、売りたい物、アイディアなどを伝えるとき、「相手が興味を持つことは何か」を考慮した伝え方ができると良い。

“成功の秘訣” というものがあるとしたら、それは他人の立場を理解し、自分の立場と同時に他人の立場からも物事を見ることのできる能力である。” ~ ヘンリー・フォード

聞き上手になること、相手に自分のことを語らせる
シンプルなことだが、会話の中で自分よりも相手にたくさん話をさせるような流れを作ることが大切だ。相手の話を親身に聞くことによって、相手の自分に対する印象は確実に良いものになる。そして自分にとっても、相手の考えや想いを学ぶことができ、相手との会話をよりスムーズに進めることができるようになる。

相手に自分のアイディアだと感じさせる
人は、それが自分のアイディアだと感じることができれば、より責任感とパッションを持って物事を進める。人に対して、”やること” を命令するのではなく、質問や提案を通してやるべきことを気づかせる。

以上が、僕がピックアップした5つの原則。他にも参考になる原則がたくさんあって、具体的な事例もあるので、この本はぜひ読んでもらいたい、おすすめの一冊です。

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Q: 投資のステージ、出資金額、取得比率は?

A: ほとんどはスタートアップの1回目か2回目の資金調達、シード期で投資している。1社に対しての投資金額は1000万円〜1億円。出資金額が高くなればなるほど投資基準が高くなる。ほとんどは2000万円前後の出資が多い。

出資に対して株式取得比率は5~10%。株式比率が10%に近ければ近いほど僕にとって魅力的な条件になる。ほとんどの投資先の保有比率は7%前後ぐらいになる。単独で投資する場合もあれば、2社(多いときは3社)共同で出資する場合もある。

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