起業家の知的誠実さ

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Richard Schneider

起業家をサポートする投資家の役割の1つは、起業家が自らを過信しすぎず、また、先入観にとらわれずに物事に取り組めるように、「知的誠実さ」を保てるように、導いていくことだ。

会社経営とは困難の連続だ。だからこそ、自信や自らを信じる強さ、そして時には楽観主義でいることができないと、なかなか続けられるものではない。でも、この「自信」や「楽観主義」を自分に都合よく解釈してはいけない。自分の会社について認めたくない “不都合な事実” から見て見ぬふりをして避けるために、無理に自信を持とうとしたり、楽観視し過ぎて、最終的に自分に対して嘘をつくようなことをしてはならない。
ただ、ここで難しいのは、ほとんどの場合、意図的に自分に嘘をつこうとしているわけではないということ。僕も含めて誰もが、気付かぬうちに自然とこうしたシチュエーションに陥ってしまうことが多い。だからこそ「知的誠実性」をもって物事に対応できているかを確認するための「質問」や「情報」のポイントを予め理解しておく必要がある。

以下は、特に定期的に確認すべきポイントだ。

数値
今設定している ”数値” は本当に正しいのか?この数値でビジネスが成り立ち、また、この数値を維持して成長し続けることに「根拠」があり、また、「現実的」なのか?KPIの1つ1つの根拠と実現性を確認する。

競合
競合と比べて、十分に差別化できているか?ユーザーが比較した時に、自分のサービスを選んでくれる「決定的な理由」が十分にあるのかを確認する。


マネージメントを上手くできているか?社員に対する適材適所が実践されていて、モチベーションを高く維持して働ける環境があるか?1対1のミーティングや360度評価、そして経営評価をする取組みなどを通して確認する

市場
狙っている市場は十分に大きいのか。頭の中で市場を広く定義し過ぎて、現実とのギャップが発生してはいないか。ターゲットユーザーや市場を明快に定義し、その規模がどれくらいかを確認する。

誰にでも認めたくない「不都合な事実」はある。しかし、経営者には事業の数値、競合、人、そして市場に関しては「知的誠実性」を持ち続ける必要がある。外部パートナーや株主の存在を活用しながら、自分が本当に誠実に考えることができていのかを問いかけてみてほしい。

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