点じゃなくて線を引く


iParham

  "I Invest in Lines, Not Dots" ~ Mark Suster (Upfront Ventures)

資金調達をするために投資家と話をするとき、パートナーシップやM&Aを進めるために他の企業の代表と会うとき、または、重要な採用候補者を口説こうとしたとき。重要なのは、「点」じゃなく、「線」を引くことだ。

初めて誰かと会うとき、その人にとってあなたは「点」だ。
そこから、その人と会い、話す機会を重ねて、関係を築いていくことによって、その人が、あなたとの「線」を引くことになる。今回は、人を ”巻き込み” ながら深い関係性を築くための「線の引き方」について書いてみようと思う。

成長と進化
人は、自然と成長し、進化し続ける人に惹かれる。会う回数を重ねるたびに、自分が動かしている事業が成長していて、また、起業家自身も成長し、物事の考え方が進化していると相手に気付かせられるかどうかが肝だ。
以前、半年を通してミーティングをし続けた起業家がいた。最初はアイディアも戦略も説得力がなく、出資を断っていたのだが、その起業家と半年をかけて話をすればするほど、アイデアがブラッシュアップされ、解像度の高い計画と戦略に進化していっていることを感じた。さらに、その人に強い忍耐力、精神力が備わってきたことも見て取れるようになり、最終的に出資を実施するという結果に繋がったことがある。

プランニング
計画性があることは重要だ。線を引くためには、成長の変化率を十分に証明できる期間と、適度なミーティングの回数を重ねる期間を設ける必要がある。僕の場合、起業家と会って、すぐに投資を決めなかった場合も、3ヶ月〜半年をかけて月に1度程のテンポでキャッチアップするようにしている。

相手の「線」を引く
自分の「線」を引くだけではなく、相手の「線」も引いていく必要がある。自分と相手との相性だったり、自分が今取り組んでいる事業のことを考えたときに、相手と有益な関係を築くことができるのか、を見極めるのも重要だ。

「点」の状態よりも、「線」の状態の方が、トリガーを引きやすい。資金調達やM&Aを進めようとしたときや、何かを依頼するときにも、線が引かれている状態の方が実行しやすい。だから、常に長期的な視点で見て、考え、「線」を引いていきたい相手とは、早い段階で着実な関係構築を始めていくべきだ。

「点」よりも「線」、これを意識すれば、良好な関係性は、たくさん作れるはずだ。

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