Intercom、Workday、Gainsight、Salesforceなど注目の北米SaaS企業20社の料金ページとプロダクトページを見ていて、気づいたことをまとめてみようと思う。
提供しているプロダクトの数は平均して5つ
20社のSaaS企業が、平均して提供しているプロダクト・ソリューションの数は5つ。ShopifyやSurvey Monkeyのように、シングルプロダクトを提供していた企業はたったの3社。多いケースでは、Salesforceが20以上、Atlassianが12以上のプロダクトを提供していた。
70%の企業が、複数部署に展開できるプロダクトを提供している
例えばAtlassianでは、エンジニア向けのプロダクトだけでなく、カスタマーサービス向けのツールやプロジェクトマネージメント用のツール、複数の部署でも横断して使うことができるコラボレーションツールを展開している。このように、部署別に広くプロダクトを展開している企業が20社中14社。約70%を占めている。
45%がフリートライアルを提供、20%が無料プランを提供
SurveyMonkeyやBoxのように、セルフサーブ型の無料プランを提供している企業の多くは、そのプロダクトを1人で使っていても、そのプロダクトの価値を感じてもらえるサービスやプランを用意している。
一方で、BetterworksやGustoのように、フリートライアルを提供している企業は、複数人又は会社全体規模で導入されないと、プロダクト自体の価値を得られないというソリューションがほとんどだった。
料金を記載していなかった企業が45%
WorkdayやVeeva Systemsのように、大手企業を主なプロダクト提供先としている企業は、サービスプランや料金情報を掲載していないケースが多い。また、エンタープライズプランを提供していた企業の70%が料金を表示せずに、営業担当者への問い合わせを必須にしている。
平均して3.8個の料金プラン
複数の料金プランをサイトに掲載している企業は、平均して3.8個の料金プランを掲載している。これら企業は、SMBからエンタープライズまで、様々な企業規模の顧客を対象としてサービスを提供している企業がほとんど。
1人ユーザーあたりの月額単価は、平均して116ドル
料金プランをサイトに公開している会社のなかで、従業員数毎に課金しているケースを見てみると、低いところではGustoが1人当たり毎月6ドルを課金していて、高いところではSalesforceのSales Cloudが毎月1人300ドルを課金している。
以上がSaaS企業20社のサイトを見て分かったこと。
これらの内容から僕の見解をまとめると:
複数のプロダクトを出すことによっていくつかの戦略を取れるようになる。
1つは、企業への導入ポイントを増やせること。例えばHubspotの場合、セールスやCRM、マーケティングソフトなど、異なるビジネスニーズにフィットするプロダクトを展開することで導入ポイントを増やしており、Atlassianは、エンジニアやプロジェクトマネージャーが使うツールを複数展開して導入ポイントを増やしている。
もう1つは、複数の部署を巻き込めること。導入先企業が、複数の部署をまたいでプロダクトを使うことでロックイン(依存性)が高まる。例えばAppDyinamicsでは、ITスペシャリストやエンジニアが集まる部署だけでなく、経営企画やマーケティング関連の部署にもプロダクトを展開することによって、サービスへの依存性を高めている。
対象顧客の規模やサービスの特徴によって適切な対応手法が変わる。
1人で使っていてもそのプロダクトの価値を感じられるならば、セルフサーブや無料プランの提供でもサービスを拡めていくことができるだろう。でも、まとまった人数での利用、またはデータの蓄積が必要になるプロダクトで、大規模な導入となる場合は営業プロセスが複雑になるため、営業メンバーからの説明を必須にしたり、無料トライアル期間を設定することで、導入に繋がる確率をあげていく。
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