「答え」だけでなく「思考」も伝える

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Thomas Helbig

VCがスタートアップへの投資を検討するとき、起業家に対していくつかの質問をする。そのとき重要なのは、ただ単純にその問いの答えを述べるのではなく、自分の「思考」も伝えられるかどうかだ。

チェスができるか
スタートアップの経営は、3対1で3人の対戦相手と同時にチェスをするぐらい複雑だ。3人の相手のうち1人は、他社の動きや経済、技術、文化のトレンドなどで変化する「マーケット」。2人目の相手は、容赦なく攻めてくる「競合」、そして3人目の相手は、仲間や取引先、顧客など広い意味での「人」だ。起業家は、この「マーケット」「競合」「人」それぞれの一手に対して駒を進める複雑なチェスをしている。だから、状況を素速く的確に把握して、次の一手を考え抜く力が必要になる。ピッチの後によくあるQ&Aやディスカションでは、この複雑なチェスができるか、考え抜く力があるかをVCに対して証明する必要がある。

思考を伝えると説得力が増す
VCからの質問には答えだけでなく、その答えに対する思考を述べることでどこまで深く物事を考え、どのようにその答えを編み出したのかを伝えることができる。ただ単に回答するよりも自分が知っていることや経験したこと、試してきたことを答えの中に含めることで、深みが出て、その答えにオリジナリティーが生まれ、説得力が増す。

よくある質問
例えば、VCがよく聞く質問の1つが「マーケットの規模」。
ここでは、トップダウンのリサーチで市場規模の割合(マーケットシェア)を説明するのではなく、対象顧客を明快にセグメント(プロファイリング)して、その数とARPU(又はARPA)をかけた数字を伝えるほうがリアリティーのある数字になる。これによって、ユーザーは誰なのか、そのユーザーはどれくらいいるのか、サービスやプロダクトに対してユーザーがいくら支払うと考えているのかなど、細かな考えを伝えることができる。

もう1つよくある質問が「ユーザーの獲得方法」。
ここでも、獲得チャネルの話をするだけではなく、ユーザーの課題意識やコンプレックスがなんなのか、コンテンツや広告を見たときの感情や期待はなにか、プロダクトへの動線をどう設計するのかという内容にまで落とし込むことで、今まで試行錯誤してきたことやユーザーの理解度を伝えることができる。

起業家に、「考え抜く力」があるか。
これは、VCがスタートアップに投資するとき、もっとも重要視するポイントの1つ。「考えを伝えること」を意識しながらVCの質問に答えられれば、より強くその可能性を伝えられるだろう。

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