スタートアップアイデアの検証

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Jessica Lucia

起業のプロセスのなかで、アイデアを検証するプロセスはできるだけ効率よく、そして短期間で終えたい。なぜなら、このプロセスが長ければ長いほど、次のフェーズに行くことが難しくなってくるからだ。

利益を出せなければ、資金調達のハードルも高くなり、また、仲間や自分の自信もどんどんなくなっていく。そして、何より一番避けたい状況は、3ヶ月や半年をかけて開発した結果、そのアイデアにそこまで需要がないことや、ビジネスとして成り立たないという事実にたどり着いてしまうことだ。そこで今回は、アイデア検証を効率良く行うためのヒントや考え方のポイントを紹介したいと思う。

1つの課題 と 1人のペルソナ:アイデアを思い付いた時まずやることは、そのアイデアによって解決できる1つの課題と、それを最も必要としている人物のペルソナを定義すること。解決しようとする課題と、想定するターゲットユーザーの対象があまりに多すぎるスタートアップは、検証がスムーズに進まなくなるため、結果、結論にも辿りつきにくくなる。ここはまず、間違って直してを繰返しても良いので、とにかく考えて調べて、課題とペルソナを定義することに力を注いでみてほしい。

課題と現状をできるだけ把握する:定義したペルソナに当てはまる人に実際に会って、1つの課題についてできるだけヒアリングをする。そのとき、アイデアや課題に対するソリューション、プロダクトについては、あまり話をする必要はない。とにかくできるだけ「課題」を調査する。例えば、人はいつその課題を感じて、その課題を感じた時にとる行動は何なのか、それを解決するためにお金を払っているのか、などを聞く。そしてもう1つは、自分が設定したペルソナ人物像が最も課題意識が高く、アーリーアダプターとして適正なユーザーになるのかをヒアリングを通して確認する。

修正・再計算・再設計:ヒアリングや調査を行っている時や、プロダクトのベータ版をテストしている時に新しい発見や情報が入ったら【修正・再計算・再設計】を常に実行したほうが良い。ペルソナに変更があれば、市場規模を再計算する。課題に関する発見があれば、ソリューションの再設計をする。コンバージョン率やリテンション率などが見えてきたら、事業計画を修正する。

100億円:特に、VCからの資金調達を予定するのであれば、ある程度の規模や成長が見込める事業にしていく必要がある。VCによってその基準は異なるが、僕の場合は5年〜7年で売上100億円を達成する見込みがあるのかという点が重要な指標の1つになる。

20年:20年先にもその需要が存在するのか、ビジネスを成長させ続けることができるのかを考えて欲しい。起業家のビジョンは大きければ大きいほどそれを果たすために時間がかかる。会社が長期にわたり存在し成長し続けるためにも、狙っている市場は長く存在している必要がある。

リテンション:プロダクトやサービスのビジネスモデルに一番大きな影響を与えるKPIは、利用頻度と継続率。これらが高ければ高いほど、1人当たりから得る収益が低くてもビジネスは成り立つ。逆に低い場合は、1人当たりから得る収益を上げるかユーザー獲得コストをできるだけゼロに近づける必要がある。

以上が、アイデアを効率よく検証するためのヒントだ。ちなみに、この中で一番強調したいポイントは「修正・再計算・再設計」だ。アイデアやプロダクトを検証している期間は、事業計画や市場規模の再計算を毎日、または毎週行う必要がある。ユーザーのニーズがあることを確認できたとしても、そこにどれだけの需要があって、事業として成り立たせるだけの市場規模を持っているのかをできるだけ早い段階で確認しておきたい。


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